It's impossible!!√A

□不屈
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『どこまで、とは?』
「とぼけるな。さっきだって、いつから長門やオレの体に術式をかけようと思っていた?お前のその目だって……!」
『そんなもの、初めからだ』
「なんでそんなことを……!」
『ならば訊くが。あなたが何故そんなことを気にする必要がある』
抑揚のない、平淡な声で來は問う。
「それ、は……」
『私の話はあくまで私の話だ。さっきも言ったが、全てを知る覚悟など、あなたがする必要はない。既にあなたが知っていたとしてもだ』
「そんなことは……」
『いいか。……私は既に、あなたに全てを知らせてしまったことがある。結果を聞きたいのか』
「……失敗に終わったのが嫌なんだろう?」
『ただの失敗ならな。あなたが怒り狂って私を殺してしまった方がまだ良かった。あなたは自ら命を絶った。それほどまでに深く絶望したんだ。強い、あなたが、だ』
「っ、」
『これまでに何度もやり直した。それはつまり、私があなたを何度も殺している事実に他ならない。そこに私の意志などは反映されることはない、事実は事実だし、覆らない。……あなたが、リンのことで自分を責め続けているのと同じように。私は今も自分を憎んでいる。ただの一人も、守れぬような奴が、……』
來の体をバチバチと火花が包む。
声は平淡さを失い、激しい憎悪と怨嗟に満ちていた。
それでも次に口を開けば平坦な口調に戻っていた。
『あなたは私の大切な仲間だ。だからこそ、教えられないことだってある。あの三人がオビトと通じていたことのように』
三人をぼんやり見る。
『別に、気にはしていない。きっと、ここから上手くいく。……というか持っていかないとダメなんだ』
「?何故そんなことが言えるんだ?」
『今まで無かったフラグが立っている。私の剣術を鬼鮫が教えたこと。オビトが私の記憶を覗きこんだこと。オビトと角都、イタチ、鬼鮫が協力していたこと。マダラが生き返っていること。(六道仙人に会ったこと。)……十分すぎる。たしかに今まで見てきたことのない流れだ、だが、だからこそ、勝算は十二分にある』
「……拳銃、当たらなかったな」
オビトは來の右手に収まっていた拳銃に目をやった。
來は拳銃を目の前に持ってくると呟く。
『元々、拳銃とは護身用に開発されたもの……人を殺傷するのが目的じゃない。護身、逃げるタイミングを作るためのものだ』
「お前、いつのまに持ってきたんだ……」
『雨隠れに長門を連れて行った時に持ってきた』
「……ほんとにどこまで計画の内なのかわからん奴だな」
『計画通り、なんてのは後から付け足すことができる。だから、本当は何も考えていなかったかもしれないし、本当に初めから手の内だったかもしれない』
來は上を見上げると小さくため息をついて地面に座った。
『だが……まだ、時間があるようだ。面倒事は先に済ませておこうと思う……どこから、私が考えていたか……そんなことぐらいなら、話してもよさそうだ』
「時間があるなら、教えろ」
『……わかった、話す。だが大したことはない』
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