It's impossible!!√A

□刻限
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≪「來さん!」≫
『!鬼鮫か』
≪「サスケを連れ戻しました!」≫
『わかった。そちらへ向かう』
來はサクラを見る。
『いいか。絶対に、私の時間が無いことなど……言うな』
「で、でも……!」
『集中を掻き乱されては困る。お前は忍だ。世界を救うことを優先しろ。いいな』
來はサクラの背に手を当て空間を移動した。
幻術をかけるチャクラも勿体ない。
「ありがとな、鬼鮫、オビト!サクラちゃんと、……來も!」
「母さん……あいつらが揃ったんならしょうがない……チャクラを出し惜しみしてる場合じゃないよ」
「分かっている」
フッと変わる視界と体に重くのし掛かる重力。
「ここは……!」
共殺しの灰骨を避けるナルトとサスケ。
「重さで狙いが狂うかい?」
「今ので調節した……次は当たる!」
放たれた灰骨にオビトとカカシが駆け出す。
ズッ……と負のオーラを被った來がチャクラを込めた右手を地面に叩きつける。
同時にオビトとカカシの足元の地面が大きく波打ち、二人同時に転ぶ。
「ふぎゃっ」
「あばぁっ」
『余計なことを……』
來は両腕を前に垂らしゆっくりと立ち上がる。
ユラァ……と黒い負のオーラが揺らめく。
「ら、來……?」
『やはり、ダメだ……貴様らは、……許さない』
バリッ、バリッ……と來の体を稲妻が纏う。
「こ、こいつ……何でこの超重力空間で平然と……!」
「(……!そうか、土影の……!)」
≪『猿真似ならいくらでもできる……。それが私の右眼の能力』≫
「(右眼の能力で得た術は右眼を失明しても使える……ということか)」
來が右手を鋭く凪いだ。
途端に槍が雷遁で翔び、カグヤの左腕を切り落とす。
「くっ……!」
「母さん!」
『たあけ』
ドッ、と來の元居た地点が土煙を上げると來は槍を手にカグヤの後ろに回り込み、槍を首に叩き込もうとする。
「(まずい……!)母さん……!」
槍は空を切った。
カグヤは宙を漂っていた。
「また世界を……!」
ぶんっ
來の投げた槍はカグヤのすぐ近くを通った。
「どこに投げ……」
來は槍に自分の体を引き寄せ、槍を手にカグヤの脳天に柄を叩き込んだ。
ドゴオッ
「んぐっ……!」
「母さん!」
『確かに"私"に感情などは無かった。……だがな』
來は起き上がったカグヤを蹴り上げ、柄で叩き落とし、距離を取ると見据えて言った。
『人情というものも、道理というものも、そして、感情も、過去も、元の"わたし"には存在していた。そして、私もそれを確かに受け継いだ!』
槍を両手で握りしめ、地面を突く。
『認めてやる……"わたし"にも譲れぬものがあったこと……私もそれを受け入れてやる……私は、お前を許さない!』
來を中心に円を描いて術式が広がると雷を纏った剣が次々とカグヤを目掛けて飛んでいく。
「母さん!」
「!逃がさねえ!」
ナルトがその隙に黒ゼツを切り落とされたカグヤの左手ごと地面に縫いつける。
「(う、動けない……!)母さん!」
「させぬ……!」
カグヤは"何か"を口寄せした。
黒ゼツを囲むようにして現れたのは白ゼツだ。
「ちっ……(まだ不完全なものも口寄せしてしまったか……)」
ドロ、と液体のようなものを撒き散らしながら來達にゆっくり歩み寄るソレは喃語(なんご)のようなものを発している。
『ナルト!サスケ!カグヤはお前らに任せてやる。思いっきり暴れろ!』
「言われなくてもそうする!」
勢いよく飛び出したナルトを來は見送ると黒ゼツを睨み付けた。
「封印できるならしてみろ!お前らのような奴らなど敵ではないわ!」
黒ゼツは白ゼツ……カグヤの造り出した兵士に安心しきった様子で言った。
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