It's impossible!!√A

□防禦
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手元のブザーが低い音を立てながら震えた。
「ん……」
オビトはゆっくりと目を開くと身体を起こした。
やはり暖かい布団の中だとよく眠ってしまう。
ブザーは火影からの召集合図だ。
伸びをしてベッドから降りるとまだ眠っている來に布団をかけ、身支度を軽く済ませた。
別に服とか脱いでいたとかではない、ちょっと脱いでた靴はいたりとかしてただけである。
來の布団に潜り込んでいたら寝てしまっていただけだ。
ちょっと來を抱き枕にして寝てただけだ、別に疚しいことはしていない。
……だからそれアウトだって言ってんのに。もうそろそろ來に次会ったら言いつけるぞ。
「(今なら親指姫のカエルの気持ちがわかるな)」
馬鹿、やめろ。
來の額にキスを一つ落とすとオビトは神威空間へと消えた。
最後まで來を見つめ続けたまま。怖えわ。







「……まあようするに、今月でナルト達が戦っててこうやって隕石、っていうかむしろ月の破片がちょくちょく落ちて来てる訳よ」
「なるほどな。そしてオレたちにも協力しろと」
「そういうこと」
カカシの言葉にオビトはため息をついた。
「そんなの、呼ぶのが遅いだろう。被害出てたらどうするんだ」
「ようやく五影内での意見が一致したの、しょうがないでしょ」
「まあ、あれじゃあな」
ハン、と軽く小馬鹿にしたように笑ってからオビトは了承した。
「じゃあ他里との交渉やら指示は任せるが……オレ達はオレ達でやる」
「うん、いつものことだね」
「ちゃんと金用意してねえとまた角都がうるさいから少しぐらいは用意しておいてやれ」
「うん、それもいつものことだね」
「オレは來の近くにいるから」
「もうわかってるって」
カカシに呆れられながらもオビトは來の眠る病院の屋上に待機した。
「(隕石、か……)」
オビトはある男を思い起こした。
散々、自分を利用し、自分や來を傷つけた男のことである。
最終的にカグヤに騙されていたことを認め、今度こそ死んだはずの男……。
「……何か、忘れている気がする」
「ようやく思い出すのか」
オビトは驚いて声のした方を見た。
先程まで誰も居なかったはずの屋上に現れたその気配にオビトは身構えた。
ガシャガシャと鎧を鳴らして姿を現したオレにオビトが眼を見開く。
「マダ、ラ……?」
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