It's impossible!!√A

□防禦
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「こうして会うのは久方ぶりだな、オビト」
「何でアンタがここにいる」
オレはヒラヒラと手を振って敵意がないことを伝えた。
「忘れたか?お前がオレにかけた術を」
「オレがアンタに……?……別天神のことか?」
「恐らくそれだな。お前がオレに"木の葉を守れ"とかけた結果だ」
「……そんな幻術をかけたか?」
「結果的にそうだからこうなっているんだろう」
オレはため息をついた。
輪廻転生の術をオレではないオレが使ったことにより、戦闘不能となったオレはオビトに神威空間に飛ばされた。
大戦後、オレは別天神により強制的に木の葉の周辺に放り出された挙げ句、縛られた。
オビトはオレが消えたものだと思ったのだろう。
「もともとは霊体だったからか、何故か眠っている間はお前らを見れてな。殆ど眠っている」
「気色悪っ」
「貴様……來に変態じみたことをするな。ずっと見てたんだからな」
「やめろ!リンの台詞に被せてくるな!」
「とにかくだ!オレが木の葉にこうしている以上、何らかの危険が迫っているということだろう。オレが協力してやる」
「それは心強いな。隕石増やすなよ」
「本末転倒だな」
ふん、と鼻を鳴らしてマダラが空を見上げた。
星と呼ぶには少々明るすぎるそれらが次々と此方へ飛来しているのがわかる。
「まさか、こんな形でお前と共闘することになるとはな」
「相手は無機物だがな」
「ほざけ」
「いちいち口が悪いな、アンタは……來はやらんぞ」
「どうかな、オレは砂利なんぞより高スペックないわゆる"スパダリ"というやつだからなあ?わからんぞ?」
「どこで覚えたんだそんな言葉」
「お前の知らぬこともオレは知っている」
「なに……?」
正確にはオビトには見せられない面であることはマダラにもわかっていた。
「(ーーーあれはいい)」
マダラはオビトには見えないように笑んだ。
残忍さと狂気とを含んだ深い闇を見せられない優しさと気高さに、マダラは心を惹かれていた。
「(あれが、いいんだ)」
不吉な色だと忌み嫌われる黒を質素で美しく、好きだというような人がいるように、マダラは來を好いていた。
それは一種の、子に対するような、慈悲から来るような感情であることは、当の本人も含めて、誰も知らない。
「……何でもいい。行くぞ」
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