It's impossible!!√A

□互換
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『……オビト』
あれから……互いのチャクラを石に込めてから來の狂気は抑えられ、以前のように正気を保てる時間が長くなった。
「どうした?」
部屋まで来るなんて珍しいな、とオビトは來の方を向いた。
『……手伝う』
來は小さくそう呟くとオビトの方に手を伸ばした。
「あー……それなら、そうだな。このリストの中から似たような人間を絞ってほしい」
『了解した』
來は部屋へと戻っていった。
「……さて」
オビトは1つ首を鳴らすと書類を片っ端から片づけていった。







「流石に、疲れたな」
時計を見ればもう昼になろうとしていた。
「(菓子でも食ってくるか)」
オビトはリビングへと向かった。
「(クッキーと……コーヒーと……まあこれぐらい、か)」
オビトは部屋へと帰った。
がちゃっ
『おー、おかえりー』
來が笑顔でオビトを迎え入れた。えっ。
「……來……なのか?」
驚いて微かに目を見張るオビトの様子に來は気づくと困ったように眉尻を下げてハの字にした。
『え、見ればわかるでしょ?わたしは双子なんかじゃないし』
まっすぐに見上げてくる黒い双眸にオビトはさらに困惑した。
「……その、右目に入ってるのは?」
『右目?……ん、眼球のこと?』
「あぁ」
『え、誰のってこと?わたしのだけど……え、何?どうしたの?』
「いや、待て」
『待つよ。待ーつーわーいつまでーも待ーつーわー♪』←全部音同じ
「(・д・)……」
えっ。
オビトは下手に敵に奇襲された時よりも驚き、硬直してしまった。
確かに質の悪い冗談を言うような奴ではあったがこんなよく訳のわからない冗談は言わない。
そんなオビトの様子を敏感に感じ取ったらしく來(?)も怪訝そうにして歌(?)をやめた。
「……來で間違えないんだよな……一体何がどうなって……頭でもぶったのか?」
『はあ?ねえほんとどうしたの?わたし何か変なことした?ちょ、頭!スイングしないで!痛いってばあ!?』
「!(びくっ」
驚いてパッと頭を離したオビトになんだよもー、とか來(?)が呟きながらオビトを見つめる。
その目は少し怪訝そうだ。
「(え、え、何だこれ、どういうこと)」
『なーんか怪しいな?何か隠してる?浮気でもしててはぐらかしてるとかじゃないでしょーねえ?』
「え?」
何が起こっているのかと物思いに耽っていればムーッと唸りながら近づきオビトの顔を見上げる來(?)の顔をきょとん、と見下ろす。
というか今、"浮気は許さない"みたいなこと言わなかったか。
『……何、その間抜け面』
「ま、間抜け面!?そんな顔してないだろう!」
『?浮気してるんだったら早々に言っておいた方がその人の為だと思うんだけど』
「だから違う!」
なんだそれ、と呟いて來(?)はオビトに背を向けベッドに寝転がろうとしたので抱き止めれば頭をポンポンされた。
オビトはやっぱり驚いて、勢いをつけて離れてしまう。
『ど、どうしたの?そっちが抱きついてきたくせに』
「あ、いや、えっと……その……」
え、なに、デレ期なのか。
口籠るオビト。
嬉しいが急すぎて何だか別人のようだ。
『ねえ』
「はい」
『……この書類は?』
オビトが顔を上げれば來(?)は机の上から紙を一枚拾い上げて読んでいる。
「朝からやってた抜け忍関連の奴だ。最近このあたりに出没する抜け忍の特徴から犯人を特定するためにお前も手伝ってくれただろう?」
『……ごめん、ちょっと部屋行くわ』
ついていった來の部屋には確かにそれ関連の書類が散らばっている。抜け忍の特徴らしい内容の付箋も何枚か机の端に貼られている。
真面目にやってくれていたんだ。
『なんだこれ』
來(?)はいつものコートを両手で広げて呟く。
まだ不安定なのだろうか。
『……。』
オビトの部屋に戻って黙りこくる來(?)は唇に右手の人指し指を沿えて軽く握る。
今までのふにゃふにゃした頼りない笑いはなく、床の一点に穴でも開くんじゃないかと心配になるほど虚ろな表情だ。
『……居間に行こう。ちょっと来て』
「え、あ、あぁ……」
がちゃ
居間には鬼鮫とイタチ、角都が居た。
「あ、來さん」
『ちょうどよかった、わたしとオビトのどっちがいつもと違う?はっきり答えて』
「……どうしたんだ?」
「いや、オレにもあまり……」
「……本当に怒らないのなら、來さんでしょう」
『うん、そっか……やっぱりか……』
「……來、ほんとにどうしたんだ?いつもよりもおとなしいというか……」
「何か悪態が少ないな」
「言葉も柔らかいというか」
「というか右目がありますね。誰かのものでもついに抉りとって入れたんですか?」
『はあ?何馬鹿なこと言ってんの?』
「ストーカー(オビト)に対してすごく親しげというか」
『……え?ちょっと待って、ルビおかしくない?』
「イタチ、オレはストーカーじゃない」
「いえ、あれはストーカーですよ」
「どこを見てストーカーじゃないって言えるんだ」
「しかもかなり悪質な」
『……ゑ?』
「記憶喪失でもしているのですか?」
「発狂している訳ではなさそうだしな……」
「チャクラは同じだが」
『いや、ちょっと待って……わたし発狂なんてしてないよ?いや、確かに変人だし気違い染みてはいるけど!……話を整理させて』
來(?)は手で制止をかけるとまた黙りこくる。
さっきも見た虚ろな表情はやはり今まで見たことがない。
「大丈夫か?」
思わず声をかけると來(?)はうーん、と間延びをした返事とも、唸りにも聞こえる音を返した。
『あー……やっぱしこれ、わたしが別の平行世界に飛ばされてるってことか』
「は?」
急に何を言い出すんだ、と四人で顔を見合わせると來は後頭部を豪快に掻きながら困ったように……しかしどこか楽しそうに笑った。
『あー、いや、これはわたしのでっかい独り言なんだけどさ。聞いてる限りじゃみんなの見てる普段のわたしと立ち位置ひっくり返ってるっぽいのね。そうとしか説明できない』
「パラレル、って訳ですか」
『その通りだよ、鬼鮫くん。……とまあ冗談はこの辺りにしておいて。状況を把握しておきたいからまず現在の暁メンバーから訊いていこうかな』
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