It's impossible!!√A

□殷雷
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「空間に固定する能力……?」
『わかりやすくこれまた某奇妙な冒険でのスタンドを使わせてもらうと……最初は完全に三部のラスボスのスタンドだと思ったわけだが……正確には五部の初めの方の敵キャラの塩が使っていたスタンド、『クラフト・ワーク』だ』
「?」
「……オレもジョジョはよくわからないんだが」
『あー……なら例えば写真だ』
「写真?」
『写真はある一瞬を切り取るものだろう?ただしそれは範囲がある。そういうことだ』
「??」
『……お前が能力を使ったとしても時間は進み続けている。時計の針が動き続けていたのがその証明になる』
「なら同時に密閉されたものの中なら関係もないってことも言えるだろうな」
『それは少し違う。私の呼吸は絶えなかった……要するに真の能力は物の固定だ。空飛ぶ鳥たちをその場に固定し、闘っている相手の動きを止める。それでも止められないものもある』
「さっき言ってた時間とかか」
「呼吸ができるなら空気もだろう。オレが今まで見た中でも初めて見た能力だがな」
『物理的に固定しているだけだから当たり前だが……空気は止められないし、重力や光、熱や音、磁力や電磁波もだ。だから罠を張った』
「オレが来た時お前らの周りの風が止んだように見えたがそれも枝が固定されたからか……」
『何にせよ、これでとりあえずは蛇神は封印された。真の能力も解明された。万々歳だな』
そっと小さく笑って赭を翻した來はアジトの方を向いた。
『行くぞ、真。ヒナノを連れて来い……お前から木の葉隠れに伝えろ。暁の連中は危害のないことを身体をもって伝えるんだ』
「うちの広報担当大変そうだな」
「元々、あんなに悪名高かった暁だからな。姉さんがあんなに張り切るなんてよっぽどだ」
「……お前の姉は強く……そして非情に徹しきれない、優しさの持ち主だ」
「なんだ、その言い方。まるで惚れてるような言い方だが」
「惚れている。もう何年も前からな」
「……そうか。俺は、別に。姉さんが幸せならそれでいいだろう……俺が何かを言う必要はない」
「そうか。必ず幸せにする。安心しろ」
『何してる。早く行くぞ』
2人は返事をしてアジトに向かう來の後についた。
『真には一応確認というか……今の暁の立場についてまずは話す。オビトが』
「あぁ」
「大戦の後……オレ達は元から犯罪者集団だったからな。断罪覚悟でいたが相応の実力があることも五影はよく知っていた。大戦でのオレ達の協力があったからこそのところもあると認めた。だからオレ達はオレ達……“暁”というどこの国にも属さない、流れ者でありながら同じ脅威を持つ流れ者、抜け忍共を捕らえる、あるいは殺す役割を正式に五影に任された。要するに自警団だ」
「どこにも所属していないからどこかの国が雇ったんだとかそんな確執がない、ってことか?」
「正確には例えばどこかの国から依頼が来る。どんな奴が国の近くで目撃された。捕まえてくれとかな。でオレ達が捕まえて引き摺り出すだろう?で報酬をもらう。基本的にオレ達に任された任務はその里や他里で……3つ以上の里が承認したものだからオレ達に喧嘩売るっていうのは他里にも喧嘩売るってことになりかねんな」
「なるほどな……でも、それってなかなかないんじゃないか?」
「ないだろうな。今回のオレや長門のような奴ならあれだが。……ただし、今説明したのはあくまでも里からの依頼の話だ。オレ達が直接、
『こいつは近々アンタの里を襲おうとしている』
と里に情報を提供する役割も請け負っている」
「おぉ……なんかそれっぽい」
『さすがは綱手様だな。頭がよく回る……まったくもって、素晴らしい』
「いちいち言い方が尊大だな、お前は……普段はビンゴブックに載っている奴の能力やらを解析したりな。何もしていなくてもオレ達の首を取ろうとしてくる輩はそこら中にいる……何せ、メンバー5人のうち3人は万華鏡写輪眼持ちだしな」
『お前も持ってしまった……大蛇丸にだけは気をつけろ。お前もよく知っているとは思うが、あいつは本当に、しつこいぞ』
「だろうな」
『角都はよく賞金首狩りをしているがそもそもその賞金首とは何か、わかるか?』
「あれだろ、ワン【ピー】スみたいな感じの」
「隠しきれてないぞ」
『例えば守護忍十二士のように……強い力を持った守り手を邪魔に思う輩がいる。賞金を積んででも消したい。なんとしても消したい。……それが賞金首だ。角都は金に執着しているがそれはあくまで金儲けの一環だ。安定した報酬さえあればそれでいい……もし守らなければ、骨は折れるがまた……殺してやる』
「“また”……?」
『……さあ、一日だけとはいえお前も暁の一員だ。実の弟だからと甘えるなよ』
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