幼馴染み
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「名無しさんちゃんはテヨンちゃんと、あんまり似てないんだね。」
またか。
いつでもオンニはあたしの前に立ちはだかる。
いけると思ったのに、舞い上がったところでいつもまっさかさまに落とされてしまう。
「ヒョナ。生。生、頼めってジンギに言って。」
あたしはヒョナを肘で突付き、小声でそう言った。
飲んでやる。
酒豪名無しさんの名に恥じない位飲んでやる。
あと一時間、生3杯と日本酒を冷酒でいけるだけいってやる。
「でも、テヨンちゃんは可愛いっていう感じだけど、名無しさんちゃんは、美人っていう感じだよね。クールな感じでさ。」
そう言って目の前にいる男は、屈託なくにっこり笑う。
にっこり笑ったのと同時に、脳味噌を洗濯機にそのまま放り込んで洗濯したような衝撃が、あたしの体を駆け巡った。
それはまるで電流のように。
痺れを伴って正気を取り戻した時、ソンミンさんの周りがピンク色に見えた。
「えーっと、生1つとモスコミュール1つでいいっすか?」
「やだ!誰が生って言ったの?!ごめんなさい、やっぱりモスコ、二つで!
」
三角巾を付けた、少しかっこいい店員さんにむかって、あたしは笑いながら叫んだ。
ヒョナが、ぎょっとした顔をしていたのは取りあえず見ない振りをした。