幼馴染み

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「ねえ、名無しさん、ドンへ、結婚式で着るドレスってどんなのがいいと思う?」



オンニは屈託なく笑ってそう尋ねてきた。



「ヌナは、ピラピラしてるほうがいいんじゃない?」



「は?ピラピラ?」


呆れたように聞き返すと、ドンへは少しムッとして、雑誌を指差した。



そこに写っていたのは、レースが豪華に使われているお姫様を思い浮かべるようなドレス。


まるで、天使のようなドレス。


「かわいい。でもさ、ピラピラじゃなくてふわふわでしょ?」


「同じようなもんじゃん?」


いや、全く違う。言葉が乱れている。

確かにどっちでもいいけど。



「ええ〜可愛すぎない?」



珍しく、オンニが反対してきた。



「どうして?オンニは絶対こういうふわふわしたようなのが似合うよ。」



「でも〜。」



我がオンニながら、可愛い。


ぐずる姿が、なんとも言えず守ってあげたくなってしまう。



「じゃあヌナはどんなのがいいの?」



ドンへが尋ねると、テ
ヨンオンニの顔が華やいだ。



「あのね、これ!」


オンニの細い指が、雑誌を押さえる。


嘘でしょ、あたしの指、オンニの二倍の太さはある。



「これ?」


ドンへの声で現実へと引き戻され、あたしは急いでオンニの指差したドレスを見た。



レースのふわふわも、ぴらぴらも何一つない、シンプルなドレス。



体のラインを強調した、大人っぽいクールなドレス。



「うん!」


オンニは満足そうに、首を大きく縦に振った。



「・・・ヌナには、似合わないと思う。」



わあ、直球ストレート。

ドンへ選手、キレイに投げ込みました!



「ええっ?だってね、あたしだってもう二十四だよ?似合わないっていうのは、すごく分かってるけど、だってこんなお姫様みたいなふわふわのドレス、子供っぽいじゃない。」



ドンへは、どうしたものかという表情であたしを見てきた。


そんな顔されたって、あたしだってどうしようもない。
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