幼馴染み
□04
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《おじさんは、明日も早いから、そろそろ寝るね。また明日。おやすみ。》
「は〜いっ、おやすみなさいっ。」
ぎゃあああ!どうしよう!どうしよう!また明日だって。また明日!!!
ちなみにメールの相手はもちろんソンミンさん!
こんなメールがあたしの携帯に受信される日が来るなんて!
明日、学校帰りに本屋に寄って、『恋をゲットする方法〜恋に臆病な貴女のためのバイブル〜』を買って帰ろう。
「・・・おじさんは・・・また明日?おやすみ?え?誰なのこの人。」
「ぎゃああああ!!!!!」
あたしはベッドから滑り落ちて、しかも思い切り頭から落ちたから、頭と首を強打した。
あたしは涙で滲んだ世界で、ドンへがにやにや笑っているのを見た。
それを見た途端、頭に血が上っていくのを感じた。
「出てけっ!!ノック位しろって言っただろうがあ!ああ?ぶっ殺されてえのかあ!?」
あたしは思わず、ドンへの胸ぐらに掴みかかった。
ドンへは相変わらずにやにや笑い、ふうっとタバコの真っ白
い煙をあたしの顔目がけて吹きかけてきた。
案の定あたしは咳き込み、その場に座り込んだ。
「女の子が、ぶっ殺されてえのかあなんて、言っちゃ駄目だよ、名無しさんちゃん。その『おじさん』にもそんなこと言えるー?」
右ストレート。
綺麗に入って、ぶっ殺されたのはあたしの方だった。
汚い言葉を使うのは、やっぱり頭の中だけにしよう。
「人のメール読んだあんたが悪い!死ね!バカドンへ!」
「うるさいなあ。なに、名無しさんもついに男をひっかけるまで成長したの?合コン上手くいったみたいじゃん。」
「・・・ありがとう。これで生きた化石から脱出できそう。ようやく掘り起こしてくれそうな人が見つかったの。」
そう言って、にっこり笑ってやった。
笑ったと同時に、ドンへの顔が強張った。
「え?何?どうかした?」
突然固まったドンへを覗き込むと、今度はドンへが驚いて目を見張った。
「何よ?」
「あ、いや。なんでもない。」
そう言ったき
り、黙ってしまった。
あたしが何を言っても、「うん。」とか「すん。」とかしか言わないし、何の張り合いもなくなってしまった。
さっさと帰ればいいのに、「帰れば?」「うん。」と言ったきり、あたしのベッドを占領している。