幼馴染み
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「う、うるさいなあ。ちょっとした体操よ、体操。」
「効き目あんの、それ。」
ドンへはそう言いながらタバコに火をつける。
「バリバリ効果あるから!それよりもここは禁煙なんですけど。」
ドンへは相変わらずあたしの言葉は無視してにやにや笑っている。
ま、まあいいか。
今日はあたしの機嫌がいい。
なんてったって、さっきソンミンさんからメールがきたから。
《この間はどうもありがとう。とても楽しかったよ。それで、もしよかったらなんだけど、今度は二人で会わない?》
それを見て、思わずガッツポーズをしてしまった。
ドンへを横目に、あたしは鼻歌まじりに本をを手に取った。
最近なんだか本を読むような余裕が無くて読んでなかったけど、今日は本を読みたい。
今はテンションも上がって、一時間位で残り200ページを読めてしまいそう。
しおりがはさんである所を開いて、さあ読むぞって時に、本がひょいっと宙に浮かんだ。
え?と思ってるうちに、本が自動的に空を飛び、ぱたんと閉じられてまたもとあった机の上に戻った。
「ちょっと!あたし本読みたいんだってば!」
「だ
から引きこもりなんだよ。」
「は?」
「名無しさんはだから引きこもりなんだよ。今日は何曜日?」
突然そんなことを言い出したドンへに、あたしは思わず素直に答えていた。
「に、日曜日。」
「天気は?」
「快晴。」
そう言うと、ドンへは唇の端だけで笑った。
「こんな日に外に出なくてどうすんの。」
うっ、と思った。痛いところを突いてきた。
「別にいいじゃん。あたし大学生だもん。平日も休日も関係ないし。それにあたしアウトドア派じゃなくてインドアだもん。」
そう言って、無理やり本に手を伸ばすと、その手をドンへが掴んだ。