幼馴染み

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『一回寝た位で、彼女ヅラすんなよな。うぜえんだよ。このブス!』



ボタボタと音を立てて、食べかけのアイスを口から落としてしまった。


冷たいアイスが膝に落ちて、余りの冷たさに皮膚が麻痺する。



けどあたしはそれを払い除けるのも忘れた。
  


『じゃあなんであんなことするのよぉ。なんでよっ。あたしのこと好きだからじゃなかったの?』


途端に鼓動が跳ね上がる。



跳ね上がるっていうか、もう口から心臓とかさっき食べたアイスとか、色々なものが出てきそうだった。



『バカ言うな。俺がお前を相手にすると思ったのか?ただの暇つぶしだよ。暇つぶし。だってお前、自分のこと鏡で見』



ブツっと音を立てて、ドラマは消えた。


今大人気の超イケメン俳優とやらが出てるから見てたけど、ちょっと過激すぎて見ていられない。



過激っていうかなんていうか、この間のことがフラッシュバックしてきて、心臓がついていかない。




『暇つぶし』


さっきのセリフが頭から離れない。


しかも微妙にそいつとドンへが似ているから嫌になる。


ドンへも暇つぶしだったのかもしれない。


そう思ったら腹が立ってきた。



ヤツとは全然会ってない。

あたしが家にいないようにしてるせいか(大抵ユニーバにいる)ドンへがここに来ないせいか、どっちかわからないけど、とにかくあれ以来会ってない。



そのほうがいい。


だってどんな顔をして会ったらいいかわからない。



全くわからない。



来なくたって、寂しくない。

会わないほうがいい。


気まずいし、そのほうが楽。



あれは無かったことにして、うやむやにしてしまったほうがいい。



向かい合ったら、喧嘩になる。


だったら向かい合わないほうがいい。




だったら・・・



考えれば考えるほど、いやになる。

だったら考えないほうがいい。



明日は、ソンミンさんたちとバーベキュー。

そのことを考えよう。
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