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□俺達の関係。【R-18】
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その日の夜
姫の意見の通りこの国の世継ぎを作るための秘密の任務が始まった



厳選なる審議(じゃんけん)により順番は凛から始まることになった
凛は夜になると王宮の限られた人間しか入れない王たちが生活する敷地に足を踏み入れる
そして姫、雅の自室の隣の部屋へと入った



そこは今日から毎晩、姫と凛たち4人が世継ぎを作るための部屋となった
最初は姫の部屋に3人が出向くと言う意見も出たが
誰が見ても乗り気ではない姫の事を考えての事
それと同時に王がまだ正式に結婚する相手と決まっていない者を
自分の娘の部屋へと入れるを渋ったからだ



そんなただ交わるためだけの部屋に入った凛は
薄暗い部屋の中を持っていたランプで照らしゆっくりと見回す
部屋はさすが王宮と言わんばかりの綺麗で広い部屋だった
ただこの部屋には住人はいないため部屋の中には物が少なく
テーブルや椅子、ベットなど必要最低限の家具しか置いてないシンプルな部屋だった



軽く部屋の中を観察し誰も居ない事を確認すると凛ばベットに近づく
そしてベット横のテーブルにランプを置くとゆっくりとベットに腰掛けた



「はぁ…」
凛の口から小さくため息が漏れる
さすがの凛もこれから始まる行為に張り詰めていた
顔見知りで話したことはあると言ってもほぼ初対面の様な関係
しかも相手はこの国の女王
そんな人物を今から抱くと考えると
例え好意を抱く相手でも緊張は生半可なものでは無かった


しかし何よりも一番の原因は昼間の姫の様子である
今までに見たことも聞いたこともない姫の様子に不安が出てきてしまい
凛の覚悟が揺るぎそうになる



ギィィ



「っ!!」
まだ凛の心の準備が整っていない中
部屋の大きな扉が低い音を上げてゆっくりと開かれていく
そしてそこから現れたのはこの《仕事》の主役でもあり
隣の部屋の住人の姫、雅だった


雅は普段とは違い
長い髪を下ろし素顔を晒して淡い色のネグリジェを纏っていた
そんな普段とは全く違う色っぽい雅の姿に凛は息を飲んでしまう



「…こんばんは」


「っ…お疲れ様です姫」
薄暗い部屋の中雅はゆっくりと凛の元へと近づき静かに挨拶を交わす
雅の姿を見て固まってしまっていた凛は雅の言葉で我に返り直ぐ様跪き頭を下げた
そんな凛を見て雅は無表情から少し顔をしかめる



「…顔を上げて下さい」
姫の言葉に凛は顔を上げる
それを確認すると雅は凛の横を通りベットへと近づくと無言のまま腰をかけた
そんな雅に凛は何と言葉をかけようか頭を動かす
しかし凛よりも先に言葉を出したのは雅だった



「いつまで立ったままなんですか?」


「っ…隣失礼致します」
雅の指摘で凛は少し怯みそうになるも雅の隣へと座った
しかしさっきの指摘のせいか雰囲気が完全に姫のペースとなり
凛はさっき以上に発する言葉を探すのが困難になる
その結果2人の間には嫌な空気と沈黙が流れる



「…しないのですか?」


「えっいえそんなことは…」


「…なんでしたら
私がしましょうか?」


「なっ!?」


「私はどちらでもかまいませんが
どうしますか?」


「…俺がします」


「そうですか
なら早く終わらせてしまいましょうこんな事」


「っ」
姫の言葉に凛は言葉を詰まらした
これが姫の本当の姿かもしれないと思ったからだ
自分の知っていた国民が知っているあの姫は偽りのものだと


それと同時に姫はこの婚約に前向きではなく国のために仕方がなくやっていると言う事
そして自分の事を全く見ていない
ただの犯される相手としか思っていない事が姫の言葉で察しられ
それが虚しくて悔しくて歯を食いしばる


しかし凛にはここで辞めると言う選択はなかった
そして姫をベットへと押し倒した





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