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□第一章 出会い
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ある日の昼下がり
商人の声、買い物客の声、遊んでいる子どもの声
京の下町はいつものように賑わっている


その町をフラフラ歩く少女


無造作におろされている黒の長い髪
真っ黒の着物
そして腰には少女に似つかわしい刀


そんな不自然な少女


しかし回りの人間は気にも止めない
まるで視界に入っていないかのよう



?「ここはいつ来てもうるさい…」


フラフラ歩きながら呟く
しかしその言葉も誰も気づいてはいないようだ


「っっっっっっ」


遠くの方から騒がしくなってくる


?「!?」


不穏に思い騒がしい方に目を細める少女


「ヒヒヒヒヒンンッッヒヒヒヒヒンンッッ」


馬がすごい勢いでこちらに向かってくる
どうやら暴走しているらしい


慌てふためく町人たち
それとは逆に動じない少女
ゆっくりと道を逸れていく




だんだん音が大きくなっていく
近づいてきている
しかし道を逸れた少女にはもう関係ない安全だ


「勘吉っ!!」
女がヒステリックに道の中央に向かって叫ぶ


あまりのうるささに目をやる少女
そこには遊びに夢中の小さな男の子
そして迫る暴れ馬


?「くっっ」


少女は飛び出していた
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