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□貴方に溺れて2
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「ええ!!私ってマネージャーじゃないの!?」
次の日私は入部届を出し水泳部に顔を出していた



「あれ翼ちゃん泳ぎたいから水泳部入ったんじゃなの?」


「泳ぐのは好きだけど競泳とか私には無理!!
大会とか出られないよ!!」


「大丈夫だよそこは遙が言ってたから
その上で入部許可したんだよ」


「でも何のために泳ぐの私?」


「え?ダイエットでしょ?」


「っ!?
七瀬くん!!どこまで言ったの!!」
葉月くんがケロッとした顔で放った言葉に私は七瀬くんの肩をガシっと掴んだ



「ダイエットのために泳ぐとしか言ってない」


「本当!?」


「本当だ」
まっすぐ見つめる彼の瞳をジッと見つめる



「分かった信じる…
でも悪いからマネージャーとか主務やるよ」


「泳ぎたい奴は泳げばいい」


「いやでも…」


「翼先輩っ!!」


「はいっ!?」
いきなり叫ばれる江ちゃんの声に私の声が裏返る



「ダイエットは女の子の一生の宿命!!
一緒に頑張りましょう!!
私が精一杯サポートしますから!!」
ギュッと私の両手を握りしめる江ちゃんの目は真剣そのものでやる気満々だ



「…分かったじゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな
よろしくね江ちゃん」


「あー!!」
江ちゃん次に叫んだのは葉月くんだった



「どうしたんですか渚くんいきなり叫んで」


「翼ちゃん、江ちゃんだけ名前で呼んでる!!」


「そう言えばそうですね」


「なんでなんでー?ずるいよ」


「なんでって…うーん江ちゃんは可愛いからかな」


「可愛い!?うへへへ///」
うん照れてる江ちゃんもこれまた可愛い



「僕も名前で呼んでよ!!」


「渚くん」


「くんもいらない!!
後輩に遠慮しちゃダメだよー」


「じゃあ渚、江ちゃん、怜ちゃん!!」


「オッケー!!」


「オッケーじゃないですよ!!
なんで僕は怜でも怜くんでもなく怜ちゃんなんですか!!」


「そっちの方が可愛いから」


「うん怜ちゃんは怜ちゃんだもんねー」


「ハァ…もうそれでいいです」
ガクッと肩を落とす怜ちゃん
可愛い後輩ができました
そんな風に話していると七瀬くんが私の前に立つ



「ん?どうしたの七瀬くん」
七瀬くんは無言で私を見つめる
多分何か意味があるんだよねこれ頑張って考えてみる


――そう言えば七瀬くん昨日私のこと翼って呼んでた
てことは七瀬くんも名前で呼んで欲しいのかな!?



「…遙くん?」
恐る恐る呼んで見るが反応がない…
ん?いや少し眉間にシワが寄った
これじゃダメなのかな?じゃあ…



「……遙」


「うん」
その言葉を口にするのは何故か恥ずかしかった
でも満足したようにいつもの無表情に見える遙に戻った



「じゃあ最後はまこちゃんっ!!」


「橘くんも!?」


「もちろんっ!!」


「じゃあ…まこちゃん?」
実は前から渚が言ってたまこちゃんって可愛いなと思っていたのは秘密



「それはさすがにクラスとかで言われると恥かしいかな」
やんわりと断られてちょっとショック



「いいじゃないですか真琴先輩!!
僕だってちゃん付けですよ!!」


「怜は後輩だけどほら俺は同級生だし」
いつもの笑顔で怜をあしらう真琴
そしてまたもガクッと肩を落とす怜



「真琴でいいだろ」


「そうだね真琴でいいよ」


「うん分かった
真琴…だね」
遙に言われて口にしてみると何だか恥ずかしくてちょっと照れてしまった



「では呼び名も決まったことですし
今日も練習頑張って行きましょう!!」
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