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□貴方に溺れて4
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「ねえちーちゃんこれ要らない?」
ちーちゃんの前に2枚の紙を出す



「何それ」


「水族館のチケット彼氏さんと行かない?」


「水族館か…行かないな私達は」


「そっかーじゃあ別の人にあげるよ」


「じゃあ私が行く!!」


「私も行きたい!!」
そう言って和葉は私からチケットを奪い取る



「あーそれがカップルチケットなんだね…
だから男女ペアしか使えないチケットでして…」


「ケッ」


「リア充爆発しろ」
彼氏が居るのは唯一ちーちゃんだけ
私含めその他は音沙汰すらありません



「じゃあ別の人当たるか…」
そうして私は行けそうな人を思い浮かべた



「と言うことで江ちゃん要らない!?」
放課後練習前に思う所を当たっていた



「あー残念ながら一緒に行く彼氏がいませんね…」


「じゃあ気になって子誘いなよ
1人ぐらい居るでしょ!!」


「ふぇ!?いいい居ませんよ!!」


「江ちゃん…分かりやすいよ」


「居ません本当に居ませんから!!
そう言う翼先輩だって1人くらいいないんですか!?」


「残念居ません
今は恋より楽しいことがいっぱい有りますからね」


「そうですか…だったらウチのお兄ちゃんとか誘ってみてはどうですか!?」


「えっ凛?」


「はい!!」


「うーイメージ的に水族館とか好きそうな感じはしないけどな
誘っても断られそう」


「大丈夫です!!お兄ちゃんなら絶対に行きます!!
例え興味がなくても翼先輩からの誘いは断りません!!」


「その自信は何処から来るの江ちゃん…
でもさ凛とは予定が合わないと思うしな
遊びに行くから前みたいに私が休むのはさすがに…」


「うぅそうですか…」
何故か凛を押す江ちゃん
そんなに凛と仲良くなってほしいのかな?
私はもう結構仲良いつもりなんだけどな
と思いながら手に持つチケットの行方を考える



「軽音部の方の誰かにあげるか」


「それ何だ」
丁度横を通り過ぎた遙が声をかけてきた



「ん?水族館のチケット」


「水族館!!」
その言葉を聞くとキラキラした目で私が持つチケットを見つめる



「…遙行きたい?」
大きく首を縦に振る



「じゃあ遙にあげる!!
ちなみにこれカップルチケットで男女ペアでしか使えないから
誰か女の子誘って行ってね」


「今週の日曜日でいいか?」
チケットを受け取るとそう私に言った



「へ?」


「今週の日曜日部活休みだろ」


「えっ私?」


「男女ペアでしか行けないんだろ」
間違った事でも言っているか?と言うような顔で話す遙



「いや私があげたからって私を誘わなくてもいいんだよ」


「嫌なのか」


「そういう訳じゃないけどさ…」


「日曜日の2時」


「…分かった」
私が返事すると満足したように少し笑い遙は練習へと行った



「絶対意味分かってないよ遙…」
嬉しい気持ちはあるものの
遙がカップルチケットで誘う意味が分かってない様で
複雑な気持ちだった
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