*main4-1

□貴方に溺れて4
2ページ/20ページ

「遙ちゃん一日早いけどお誕生日おめでとうー!!」
29日土曜日
遙は部活に来た瞬間渚が叫んだ
そして次々と遙にプレゼントを渡す

「おめでとう遙」
「おめでとうございます遙先輩!!」
「おめでとうございます」
「ありがとう」


「えっ明日遙の誕生日なの?」
私だけ置いてぼり状態だった



「そうだよーあれ言ってなかったっけ?」


「聞いてないよー!!えっごめん遙!!私何も用意してない!!」
みんなからのプレゼントを抱く遙に頭を下げる



「何やってるんですか渚くん連絡係だったでしょう!!」


「うーごめん
よしじゃあ翼ちゃんからのプレゼントは熱い抱擁と口づけって事で!!」


「 はいぃ!? 」
そこに居る遙以外のみんながその言葉に困惑した



「何言ってんの!!」


「そうだよ渚!!抱擁はともかく口づけって!!」


「付き合ってもいないのにくくく口つけなどとはいけませんよ!!」


「絶対にダメ!!反対!!」
そう言って渚をみんなで攻める



「えー遙ちゃんには最高のプレゼントだと思うんだけどなー」


「どこが!!ん?えっ何遙?」
そんな中遙が私の前に立ちジッと私を見つめる



「…はっ!!しないからね絶対にしないからね!!」


「しないのか!?」
私の言葉にとても驚いた反応を見せる遙



「なんでそんなに驚くの!!する訳ないでしょ!!」


「…冗談だ」
そう言って私の慌てた様子を見て悪戯っ子のように笑う



「笑えない冗談はやめてよ!!」


「ビックリした…」


「本当にしちゃえば良かったのにー」


「まだ言いますか渚くん!!」
つまらなそうに渚は口を尖らせ
当たり前のようにツッコミを入れる怜ちゃんだった



「あっそうだ!!明日みんなで遙ちゃんの誕生パーティしようよ!!」


「いいね」


「でしょー!!遙ちゃんどう?」


「ああ
でも明日の昼は予定があるから夜でもいいか?」


「もっちろん!!じゃあ明日の夜に遙ちゃん家でパーティだー!!」
みんな明日を楽しみにして練習の準備にかかる
そんななか遙の言葉に私は引っかかった



「ねえ遙!!」


「なんだ」
他のみんなに聞こえないように小声で遙を呼び止める



「明日の水族館本当に行くの?」


「どうしてだ」


「だって明日誕生日なんでしょ?
それなのに私と…2人…で水族館なんで…」
言うことが恥ずかしくて口ごもってしまう



「俺は行きたいんだ」


「本当にいいの?」


「ああ
それが翼からの誕生日プレゼントってことにするから」


「…分かったもう何も言わない
楽しみだね水族館!!」


「ああ」
本当は言いたい事があったけどそれを飲み込んだ
せっかくの誕生日だから遙の望みを聞くことにしたのだ
でもドキドキする心臓と少し赤くなる自分の顔は抑えられなかった
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ