Short Story

□君のために
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普通のクラスメイト。どこにでも居そうな男子。



秀でて頭が言い訳じゃないし、かといってスタイルが言い訳でもない。



顔も至って普通のどこにでも居そうな、平々凡々な奴だと思っていた。



たまに仲良くしている友人達と一緒に大きな声で騒いでるくらいで、どういう人なのかなとか思った事もなかった。



なのに。



「その、よ、よかったら付き合ってください!」



中学の卒業式の日、真っ赤になった彼が裏庭でそう言った。誰にだ、勿論何の関わりもないと思っていた私にだ。



中三になってからしか同じクラスじゃなかったし、多分クラスメイトじゃなかったら顔も名前も知らなかったと思う。



それは私だけじゃなく、彼、降旗くんもそうなんだと思っていた。



話した事はあるにはあるけれど、頼まれごととか、事務的な事くらいしか記憶にない。



え、ほんとになんで?









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