Short Story
□高尾様に万歳!
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「しんたろー、明日どうする?何かしないの?」
昨日、彼が職員室に呼ばれている間に、彼の相棒ならしい幼なじみのしんたろーこと緑間真太郎に私はある計画を持ちかけていた。
それはもちろん彼の誕生日パーティーの企てであり、クラスをひっくるめて開催するそれはとうに委員長ともクラスの皆とも話がついている。
勘の良い彼に気付かれぬよう、極秘に進められてきたそれはイベント事に疎い真ちゃんはもちろん知らず、結局前日に知らせる結果となっている次第なのだ。
「明日…………あぁそういえば高尾の誕生日だったな」
「よかったー、覚えてないかと思った」
「失礼なのだよ。俺だって友人の誕生日くらい把握している」
「じゃあ私は?」
「毎年祝っているのだろう。覚えていない訳がないのだよ」
「だよねー」
真太郎とは生まれた時からお隣さんだった、所謂幼なじみのお隣さんという関係だ。
親同士仲良くて、幼い頃から二人は結婚するのよねー、とお互いの親に言われ続けてきたが、そんな感情は全くない。
幼なじみの範疇は一生超えることがないだろう、と多分真太郎も私も確信している。
そもそも、私にはそんなことになってもらうのは遠慮したいのだ。
彼、高尾和成という好きな人がいるのだから。