Book〈黒バス〉
□愛哀cycle
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「また負けたっ…」
「運命なのだよ。」
毎日繰り返すこの会話。
「なんでそんな強いかなー」
俺はチャリをこぎながらそうこぼす。
今日も俺はチャリをこぎ
真ちゃんはリアカーにどっかりと座っている。
…右手にはあひるのおもちゃ。
「だから、運命なのだよ。」
涼しい顔でそう言う真ちゃん。
こんにゃろっ…、くやしいっ!!!
でも負けたからなあ…。
はーあとため息をつき、こぐ足に力を込める。
「なあ、真ちゃん今日はおしるこ…」
俺がいつものペースで走ってると急にこっちめがけてトラックが突っ込んできたのが見えた。
完全な暴走運転だ。
「危ない高尾!!!」
やばい…今からじゃよけられねえっ…
グシャッ
鈍い金属音と視界が大きく回転したのを境に
俺の意識は痛みもなく
途絶えた。