宝を求めて
□依頼
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「・・・奇術師ヒソカ、ねぇ」
自ら入手したパーソナルデータを手に、ヘヨカは溜息を吐いた。
「困りましたねぇ・・・こうも似られては。やりにくいじゃありませんか」
そう呟いた彼女の瞳は、例えようのない深い悲しみを映していた。
「・・・ジョーカー」
無意識に出た言葉なのか、彼女は驚いたように自分の口元を覆った。
フ、と漏れる苦笑。
「・・・他人の空似とはまた、何とも恐ろしい。今回は難しそうですねぇ」
そう言うが早いか、彼女はどこからかマッチを取り出し、ふざけた奇術師の写真に火をつけた。
「ハンターライセンス一ツ星は悪くない。戦闘狂の貴方には気の毒ですが、利用させて頂きますよ」
ニンマリと弧を描いた唇は、道化師と万屋、果たしてどちらのものか。
それは、本人のみぞ知るところである。
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