哄笑クラウン

□執事
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「―――、」


「・・・ん」


「――――様」


「・・・」


「・・・さぁ起きてクダサイ?

 いい加減にしないと襲いますヨォ?」




ガバッ




「起きた起きた起きました!・・・って、え?」


耳元でした厭らしい声に叩き起こされた彼女の前に映ったのは・・・



「///?!」



金色の瞳を持つ、イケメン。



「だだだだだ誰っ?」


「もう忘れたんですカァ?

 全く、おバカサンですねww」


「っ!おま、変態ピエロか!」


「変態じゃないですヨォ〜♪」



違う。違いすぎて、変化についていけない。


そもそも、信号ヘアーはどうした?


あの化粧は?


服は?



「女性で言う、スッピンってやつです♪」


「・・・ι」


あまりの化けように、最早何も言えない。

ただ・・・その格好が随分と心臓に悪い!と叫びたくはなったが。


「クスッ・・・失礼します、お嬢様」


「ふぁっ?!

 ちょっ、下ろして!」


急に脇と膝の裏に手を回され、抱き上げられた。


・・・初のお姫様抱っこが、ルックスは良いとしてこんなピエロだなんて!


「見てお分かりになられませんか?

 本日より、貴女の執事を勤めさせていただきます」


「はぁ?!」


ストン、と彼女を椅子に降ろし、優雅に礼をとる。


そんな元ピエロ今超タイプイケメンに、彼女は口をパクパク・・・。


「フフ・・・そんなことよりもお嬢様」

「ななな何でしょう?」


「僭越ながら、この世界でのお名前を考えさせていただきました。

 お聞きになられますか?」


優しげな笑みを浮かべて言う彼女の執事は、本当に何処かの執事のようだιι


「あ、うん」


早くなる鼓動を感じながら、現金な奴、と自嘲した。



「貴女はこれより『R』とさせて頂きます。

 但し、普段は『一之瀬 ララ』と」


『R・・・』と呟いた彼女は、不思議そうに執事を見上げた。


Rというアルファベット一文字が名前だなんて、おかしくないだろうか?


「だから、もう一つ名前を差し上げたでしょう?ララお嬢様」

「ややこしいよι」

「いずれ慣れます。

 普段はこの名前で呼ばさせて頂きますので」

「あ、うん分かった・・・」


ダメだ。

寝起きだからか、頭がちゃんと機能しない上に、体が自由に動かない。

何だか、小さくなったような・・・?


というか、ここ何処?

うちの家とは違うし、何か高級感漂ってるお部屋であることであることから、ほぼ100%トリップはできてるのだろうが・・・



・・・ん?


ちょっと待て


縮んだ・・・?




「鏡・・・鏡持ってきて!」


あぁ、嫌な予感がする。


何だあの笑みは!絶っっ対に、何か仕出かしたな?!


「お待たせ致しましたww」


「(゜ロ゜)」


「ブッ・・・クククク!」


縮んでた。

そりゃもう物の見事に。


・・・所謂、幼児体型というやつだろうか?


「おぉぉぉぉ、おま、おま、お前ぇぇぇぇぇぇ!!

 何てことしてんだぁぁぁ!」


「その方が可愛らしいデスヨォ♪」


すっかりピエロ口調の執事に唖然とするララ。


「な・・・こんなんじゃ、L達助けらんないじゃん・・・」


高い所から突き落とされたような気分、とでも言うべきか。


それとも、戦意喪失と言うべきか・・・


「1988年。

 さぁ、L・lawlietは幾つです?」

「へっ?・・・9歳?」

「良くできました♪」

よしよしと頭を撫でてくる手を避けて、なおも質問を続ける。


「それがなんなのさ?」

「・・・ハァ。

 やっぱりバカですね、アナタ」

「!」



今、彼はその年齢で、貴女は6歳。

つまりは・・・



「今現在が、1988年ということです。

 それくらい推測してクダサイヨォ〜」


「できるか!」


新しい情報が入った。

私の年齢と、Lの年齢。

キラ事件までの時間・・・



「でも、何でこんな中途半端な歳にしたの?」


さっさとキラ事件突入でも良かったろうに。


「あぁ、育成期間です」

「・・・は?」


今物凄い危険なWordが出た気がして聞き直すが、奴は糞真面目な顔で答えたのだ。


『育成期間だ』と・・・















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