貴方が、居るから

□捜査
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   「L、資料が出来ました」


   「ご苦労様です」




 受け取り、直ぐに目を通す。




   「・・・・・・ぇ、あった・・・?!」



   「・・・?」





 彼は・・・椅子から転げ落ちたまま目を見開いて、何をしているのだろうか。


 もしかして、頭を強打した?それはいけない。



   「大丈夫ですか?」


   「えぇ大丈夫です。このまま空を飛べるくらい絶好調です」



 彼の差し出した手に掴まって言ったL。

 ワタリの心配そうな目はスルー・・・否、全く気付かずに椅子に座りなおした。




   「似ている・・・いや、もしかすると人違いか・・・?」




 夢であった少女がそのまま、そこにいた。


 なんとなくだが、所々・・・似ているのだ。



 ・・・勘頼りで確信がないのが、どうしても腑に落ちない。




   「この子について、全て、一つの見落としもなく、完璧に調べ上げてください早急に」



   「はい」



 彼の抜き取った資料に目を通す。




   「・・・名前が無記名ですが、何故この子を・・・?」



   「今回ばかりは、勘だ。

    ・・・頼みましたよ、ワタリ」



   「はい、少々お待ちください」











§





 





 一体どうなっているのだろう。


 あの写真を見たとき、ピンときた。ビビビッとアンテナが反応した。


 一体どうなっているのだろう。(二回目)




 今まで勘をあてに操作をして成功したこともあったが、今回は異常だ。



 ワタリにも、無茶ばかりさせているのは分かっているのだが・・・それでも、諦めるわけにはいけないのだ。









   「L、此方でよろしいでしょうか?」


   「有難うございます」








 彼の集めてくれた資料は・・・なんとも、薄い物だった。




 分かったのは、彼女の母親は9年前、通り魔に殺され、娘も巻き添えを喰い、なくなってしまったという情報。




 まさか、自分は死者の亡霊を見たのだろうか?


 そいうものはハッキリ言って信用していない。


 ならこの記録は、嘘・・・ということだろうか・・・?


 幸い、彼女の住んでいた家はこの近くだ。



 確かめる価値は、ある。





   「ワタリ、変装道具を持ってきてください。出かけます」



   「承知いたしました」






 ・・・今回は外に出ることが多いな。






§







   「アレですか?」


   「アレですね」


   「・・・」




 かなり“普通”の家だった。

 しかも、人通りが異常に多い。




   「・・・・・・・・・・・・ワタリ」


   「はい」


   「頼みがある」

   「なんなりと」



 ニヤリ。


 非常に悪い顔で口角を無理やり吊り上げた彼に言葉をなくしたワタリであった―――――






 
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