Der SuehIussel des Mondes

□目覚め
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「まぁまぁ、そう辛気臭い顔しないで。


 今日は貴方の18歳の誕生日なんだから」




そう、今日は彼女の誕生日。





家族を失い、この姿になって16年になる。






修道院で育った悪魔。







ニコニコと笑うシスターを前に、彼女は思う。






神様関係の場所で悪魔って、どうよ・・・






本来、修道院の者は神に仕える身だ。




悪魔を嫌い、遠ざけるのが当たり前。








だが、ここの人たちは違った。




悪魔の体を持つ自分に、彼女たちは微笑んだ。









悪魔?

何を言ってるの。

こんなに可愛らしく笑う子が、悪魔なはずが無いわ!


それに、心が純粋ですもの、どっちかといえば天使よ!







そう言って、彼女たちは自分の名を呼び、時に厳しく、時に優しく、育ててくれた。



だから、何か恩返しがしたい。







「別に、なんか実感無いよ。


 でもまぁ、無駄に年を感じるね」



「あら、それは私へのあてつけか何か?ン?」


「イエ、ナンモナイデス、スンマセン」



うん。


シスターの前でこの話はしちゃいけないんだった。





そんなに年をとっているわけでもないのに、彼女は年齢の話になると怖い。





「そんなに気にしなくたって、シスターぜんぜん綺麗じゃない。


 てか、むしろこの16年で綺麗になってるし。


 何でそんなに気にするの?」





「・・・天然タラシ////」




「はい??」





天然のたら?


それはそれで美味しそうだが、何でたら?





「いや、違うから」


「??」









「はぁ・・・」








「え、何その溜息。


 何気に傷つくんですけど」




そういうと、シスターは「ちょっとは自覚しなさい!」と言った。



少し顔が赤いようだが、熱でもあるのだろうか??


心配だ。






「いやいやいや、コレ熱とか関係ないから、生理現象だから」



「え、違うの?」



「違うわ!」






うん、女性ってよくわかんない。







・・・まぁ、そういう私も女の子なのだけれど





























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