アイデア

□雨猫
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ザーザー。
赤色の傘を差し、路地の看板の横に置かれた箱を眺める。


そこには、猫が一匹居れられている。

何一つ鳴くことなく、僕をずっと眺めてくる。


「なんだ…。ただの猫か」



猫なんかに興味のない僕は、直ぐにその場を立ち去った。



翌朝、

学校に行く途中、あの箱を除きこんだ。
でも、猫はいなくなっていた。



別に、可哀想とか思ってない。
別に、興味が出た訳でもない。



夕方に近づいた頃に、また雨が降ってきた。

僕は、赤色の傘を差した。



猫は、箱に戻っていた。
昼御飯の残りのパンをあげてみた。


だけどヤッパリ何一つ鳴かず、僕の目を見つめるだけだ。


雨の中でも曇りもくすみもないその眼は、とても美しい。
透き通り、ガラスのようだ。
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