拍手ありがとうございます。
↓以下10月用拍手(蘭マサ)

スクロールお願いします。
























「狩屋。」
霧野先輩の声は、何故かすごくよく聞こえる。
透き通っているとか、綺麗だとか、そんなのとは比べものにならない。
俺の記憶にはあるけれども鍵をかけた、親の子守歌。
幼子の中には、これがないと眠れない、逆に歌さえあればぐっすりと眠れる、そんな子もいるくらい、とても穏やかで、耳に馴染む歌。
彼の声には、そんな何かがあるような、そんな気がする。
でも彼は兄でも親でもなく、かといってただの同じ部活の先輩、ではない。数少ない、心を預けられる人。そして、世界の誰よりも愛している人。それは一方通行ではなくて、互いに愛を享受し、与える、いわば恋人である。

恋人らしく(?)二人での帰り道。
霧野先輩が声をかけてきたので、返事を返す。

「何ですか?」

俺が答えると、先輩は、一度ゆっくりと瞬きをして、そして話し出した。

「俺、狩屋のテノールが大好きなんだ。なんかこう、安心するような。」

俺が考えていたのと似たようなものだ。だからこそ俺は、内心すごく驚いている。

「へぇ、奇遇ですね。俺も、先輩の声っていいな、と思ってたんですよ。」

できるだけ平静を装う。
何かを装って会話をするなんてのは日常茶飯事。どうってことはない。
でも、今のは違った。少し声が震えた。
先輩はそんな細かい変化に鋭い。一瞬で見破る。
俺も自信はあったが、完敗だ。鋭さ部門、二位。一位は先輩。

「声震えてるぞ。」

ほら、やっぱり。




















駄文ですねごめんなさい。
拍手、ありがとうございました。






[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ