本丸

□紫羅欄花 《三条+五条》
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「(なんでたんとうは、わらわのようなすがたなんでしょうか?おおきくて、いげんがあればあんなこといわせないのに)」


とある本丸の部隊所属の今剣はむすっとした表情のまま遠征していた


「今剣よ。まろい頬がますますふっくらして幼子のようだぞ」

「岩融。ぼくはおさなごではありません!岩融もぼくをそのようにあつかうから・・・なんでもないです」

「なんだ。まだ気にしておったのか。あれは他の本丸の者なのだから考えが違っても仕方なかろうに」

「それはそうですけど。ぼくらはおなじさんじょうはなんですよ」


現在、政府所属の審神者が依り代に降ろすことの出来る三条派の刀は五振り

刀帳番号 3番 三日月宗近
最も美しい刀にして天下五剣

刀帳番号 5番 小狐丸
能『小鍛冶』で謡われる名刀

刀帳番号 7番 石切丸
石をも斬る神刀の大太刀

刀帳番号 9番 岩融
武蔵坊弁慶が所有したと云われる薙刀

刀帳番号 11番 今剣
源義経が所有したと云われる短刀

同じ刀派ということ以外来歴や、三日月と小狐丸以外の刀剣に至っては刀種さえもバラバラな彼ら

しかし、今剣の本丸では兄弟として生活を共にしていた


「うちの小狐丸もそうおもってるのでしょうか?」

「さぁのぅ、それは聞いてみぬとわからんなぁ。本丸によって個体差があるというからな」


昨日のこと

今剣と岩融を含む部隊は小狐丸がいる部隊と演習で当たった


「さあさあ、ぼくらといっしょにあそびましょう!さぁ、小狐丸。あにがむねをかしてあげます」

「兄?そなたが?...存在したかわからぬものに弟扱いして欲しくはありませぬ」


相手本丸では違う関係なのか、そう冷めた目で言われる

極の修行で自分の事実についてを知った今剣にとってそれはそうとうショックな出来事であった

帰還後、小狐丸に聞いてみたかったがタイミングが悪いことに彼の刀は遠征に出ており、その帰還を待たずして今剣も遠征に出たので会えずじまいで現在に至る


「そこ、怠けるな!この遠征は主命だ!なんとしても主が憂えずにすむよう、資源を集めるんだ」

「わかってますよーだ。ね、岩融?」

「そうだな。さて、本腰いれて探すか」


部隊長であるへし切長谷部に今剣はベーっと舌を出すと、岩融の肩の上にピョイっと飛び乗ったのだった
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