本丸

□白妙菊 《花鳥風月+姥蜂♀》
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次の日の昼休み

蜂賀は友人たちとラウンジで過ごしていた


「はっち。貴女、からだ壊しますよ」

「ほら、これ玄米のお握りだから。少しは食べなよ」

「からだは欲しがっているはずだよ。・・・栄養を、ね」


朝食を飲み物だけで済ましていた蜂賀は、昼食も同じように済まそうとしたが止められそれぞれ、フルーツ牛乳(長谷部支払い)・玄米お握り・数品のおかずを目の前に置かれる


「・・・歌仙さん、今体重何キロ?」


口をつけるまでじっと見つめてくる視線に断ることもできず、食べながら蜂賀は目の前に座る之定歌仙に訊ねた


「喧嘩売ってるのかい?」


友人たちの中ではふんわりした方の歌仙は、蜂賀を軽く睨む


「駄目ですよ、はっち。歌仙は大絶賛減量中なんですから」

「よし、わかった。二人とも首を差し出せ!」


傾国と呼ばれ同姓の敵が多い左文字宗三がわざと地雷を踏みに行き、歌仙を怒らせた


「別に、怒ること無いじゃないですか。ぬいぐるみみたいに柔らかくていいでしょう」


「...お前、鶏ガラだからな」


「すみません、ちょっと席を外しますね。・・・長谷部、貴方ちょっと面貸しなさい。話をしましょう」


たまたま近くの席にいた長谷部国重の言葉に、宗三は笑顔で3人に離席を伝えると長谷部を連れていなくなる

そんな長谷部と宗三の関係は恋人同士

周りにはなんで別れないのか不思議がられている関係であった


「歌仙さん、歌仙さん」


明らかに気が立っている歌仙の肩を京極青江が叩く


「何だい?青江。君まで僕に何か...」

「その柔らかさで包み込んでしまうんだろう?......抱擁された時の感覚のことだよ」

「はぁ・・・、もういいよ。怒る気も失せた」


空気を読んだのか、青江は意味深な発言をして呆れさせることにより歌仙のガス抜きをした

ただ言ってみたかっただけの可能性もあるが、結果オーライであろう


「ただいま戻りました」


そうこうしている間に宗三が購買のプリンを手に笑顔で戻ってきた

失言へのお詫びとして恐らく長谷部に買わせたものであろう


「ねぇ、宗三さんや青江は体重何キロ?」

「そうですねぇ…多数に公開することでもないので耳打ちしますね。僕はーーキロです」

「僕も、だなんて欲しがりだねぇ……ーーキロだよ」


性格は別として、顔面偏差値が高い二人からの耳打ち

もし、蜂賀が男子であったなら相当嫉妬されたことだろう

ちなみに歌仙は目で訴えられたが、体重の公開を完全拒否


「そうなんだ。(二人とも軽い...やっぱり痩せなきゃ!)」

「あ、でも僕らは平均より軽いって注意されてるからあまり参考には・・・って聞いてる?」

「聞こえてないみたいですねぇ…」

「(昼は食べちゃったから、夜を減らして。近所走って...)」


ダイエット方法の思考の海に拐われた蜂賀の意識を戻したのは、昼休み終了のチャイムであった
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