執事

□小説(ご主人様×御園)
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【冬空】





しいなにとって奉仕の時間は至福の時だ。
ご主人様さまだけを見つめ、ご主人様だけの声を聞き、全てをご主人様のために使える。
ご主人様もしいなだけを見つめ、声をかけ、触れてくださる。
これ以上の悦びがあるだろか。


庭の空気は冷えきっているのに、寒さは感じない。
しいなは、植え込みに服を脱ぎ捨て、ベンチに座るご主人様に向き直る。

「ごしゅじんさま…きもちい……ですか?」

生まれたままの姿になると、ご主人様の前に跪き、自身の唇、舌、指でご主人様の分身を高ぶらせていく。

「ふっ……」

上目でご主人様をうかがい見る。
眉間にしわをよせ快楽に耐える様子に、歓びが体を駆け巡った。

(ああ……もっともっと、俺を感じて)

ひとりでに体が高ぶり、自然と腰が揺らめく。

「随分熱くなっているじゃないか」

ご主人様はくつくつと笑って、しいなの高ぶる中心を足で弄ぶ。

「ひうっ!?」

靴裏でぐりぐりと押し潰され、痛みを感じ思わず奉仕の手を止めた。

「いたっ……ごしゅ……さまぁ」

目に涙を浮かべ、いやいやをするように首を振る。

「誰が休んでいいといった」

ご主人様は冷めた表情でさらに足に力を込めた。

「あううっ!」

強烈な痛みが脳天を駆け抜けていく。なのに、ますます熱く火照るのはなぜだろう。鼓動はどくどくと耳の中で鳴りひびく。荒い吐息が白く染まり、頭の中も真っ白になっていく。
高ぶる身体は、耐えきれず、ご主人様の革靴を白濁で汚してしまった。けれども、しいなの中心はその存在を主張し続けている。

「待てもできないとはな……舐めろ」

口元につき出された靴の汚れを舐めとる。
余すことなく舐めとったが、革靴は唾液まみれになった。ご主人様は、脱ぎ散らかされたしいなの服でそれを拭き取ると、立ち上がる。

「お前には躾が必要なようだ」

ご主人様はとても楽しそうに微笑まれた。


「ここに座れ、御園」

言われた通りにベンチ座るとしいなが脱いだベストで手を縛られた。
そして、しいなの服を次々と使って、開脚した状態で足を固定されてしまう。
最後に残った服で目隠しをされた。

「ご主人、様?」

しいなは何も隠すことができず、少し不安げな表情を浮かべたが、心は期待に満ちている。

「暫くそのままでいろ」

「でも……この格好では何もできません」

しいなは驚いた。
目の前にご主人様がいるのに、触れることも見ることもできないのは苦痛以外の 何ものでもない。

「なんだ、不満か?」

「いえ……」

冷え冷えとした声音に、口ごもる。

「俺はここを離れるが、上手く待てが出来れば、褒美をやろう」

そう言って、しいなの頭を優しく撫でると、ご主人様の気配は離れていった。

「ご主人様……!」

甘い期待が胸を突く。
冷えた外気にさらされてもなお覚めやらぬ熱に、しいなは浮かされ続けた。





end
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