君の名前にアンダーライン

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はちや先輩(仮)と最近よく会う。
もしかすると以前はそこまで意識していなかったから気が付いていなかっただけかもしれない。


「美覇ちゃん」
「こんにちは...はちや先輩」
「よくわかったね」
「ええ、まあ」


昼休み、廊下で私のむかいから歩いてきたのははちや先輩と、豆腐せんp...じゃなくて久々知先輩だ。
そして爽やかに私の名前を呼んだのはもちろん、面識のあるはちや先輩である。
なぜわかったかといえば、いじわるく笑いながら私の名前を呼んだから。
不破先輩がそもそも委員会以外で私に声をかけることはない。
気を遣ってくれているのだろうと思う。
目が合えば会釈する程度だ。


「兵助、彼女が武田美覇ちゃん。雷蔵と同じ委員会の」

「あー、彼女があの三郎と雷蔵間違えた子か」


鈍器で殴られたような衝撃が私をおそう。
なんだ、あれか先輩方の中で私はそういう認識なのか。
ていうか久々知先輩にマイナス評価(本人がマイナスと思っているかは知らない)されてるとか結構ショック。
久々知先輩といえば学園内でもかなりの美形だ。豆腐オタクと言われていたって美形に変わりない。
美形の先輩に覚えてもらっているのは大変光栄だがこの印象はあまり嬉しくない。

「美覇ちゃん、こちら2年い組の久々知兵助。通称豆腐小僧」

「三郎、無駄なことは言わなくていい」

なぜ今私は久々知先輩を紹介されたのだろう。合コンか?
一応頭をさげると、久々知先輩も律儀に頭を深々とさげてくれた。

「あの、私は委員会の当番があるので、これで失礼します」
「ごめんね、引き止めちゃって。そういえば雷蔵に伝えて欲しいことがあるんだけど、いい?」





「今日は部活に来なくていいから、委員会に専念してこい」
「だそうです」

「私は途中部活でぬけますし、先輩1人にやらせるのも申し訳ないのでそこで閉めましょうか今日は」

「あー、んー...うーん...」



でました。不破先輩の悩み癖。何を悩むことがあるのかわからない。
早く帰れるんだからいいことじゃないか。



「今日、実は帰りに付き合って欲しいところがあるんだけどいいかな」




まさかの爆弾を投げつけられました。



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