君の名前にアンダーライン
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「実はぼく好きな人がいて、誕生日プレゼントを買いに行くのに一緒に行ってくれないかな…!なかなか決められなくて」
ひぇー。こんな可愛い先輩に告白されたら誰でもおちるって。
顔を真っ赤にして不破先輩は爆弾発言をした。
可愛いから許すけど、ときめき返して欲しいです。ほんとに少しだけ。
うわあこれ鉢屋先輩に見られたら絶対嘲笑されるやつだよ。
あの人性格悪そうだもん。
「いいですよ。不破先輩にはお世話になっているので、それくらい任せてください」
力こぶを作るもあまりに頼りない。
期待した分もあるがもともと盛り上がるほど筋肉もない。
ネタにも出来ない腕を今だけ恨めしく思う。
「美覇ちゃんが選んでくれたら心強いよ。三郎に相談したら身近な女子に相談しろって言われて美覇ちゃんしか思い浮かばなくてさ」
「引き受けてくれてありがとう」
胸のあたりがむかむかする。
きっとこれは口にしない方がいい。
今までも度々気付かないふりをしてきたから。
これからも、それでいい。
それから部活後無事2人でプレゼントを選び帰ってきました。
ちゃんちゃん。
という話を翌日ところどころ省きながら尾浜先輩(ほぼ初対面)と鉢屋先輩に問い詰められたから、した。
「ありがとね、はいこれお礼」
尾浜先輩から渡されたのはなぜか高野豆腐。
久々知先輩からのおこぼれだと思われる。
「ありがとう」
鉢屋先輩は私の肩を優しく叩いた。
顔は一緒でも、やはりDNAが違う人間だと実感した。
不破先輩の手はこんなに、大きくもごつくもなかった。
過去に1度だけ触れた先輩の手を無意識に思い出している自分に苦笑。
そんな私に鉢屋先輩がチョップをかましてきた。
いつもなら痛いですよぐらい言うがそんな気分でもなくて無言でいた。
鉢屋先輩が何か言いたげに私を見ていた。
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