みじかいの
□恋に関する6つの話
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01 恋は人を変える
高校に入ると、中学からの友達が恋をした。
私と同じ部の彼女は部活動中に彼の魅力を語っていた。
それはいつも私以外の子にで、きっと昔からの知り合いである私にはしにくい話だったのだろう。
それに私は口が軽い。
自覚があったから私はあまり口をはさまないようにしていた。
彼女は中学の頃よりも大人な顔つきになり、綺麗になった。
そんな彼女の変化を他の高校に行った中学の同級生に少し話をした。
すると次の日彼女からメールがきて、あまりその話を他の人に話さないで欲しいと言った。
私はそこまで深くは喋っていない。
最近とても楽しそうで羨ましいかぎりだと伝えただけだった。
いやに慎重だなあ。
私は素直に謝り、以後気をつけると返信した。
そうしたらいつもどおりのふざけた返信が返ってきた。
彼女は恋をして少し人が変わった。
高尾くんのせいだ、大きな声で叫びたくなったから帰り道に叫ぼうとしたら、いつも一緒に帰る友達に止められた。
「…高尾くんのバカヤロー」
だから小さな声で呟いた。
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