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□できれば知りたくなかったこと
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※一応現パロ


尾浜勘右衛門くんは、私の元カレである。
元、というのは私が彼をフったからそうなったわけだけど実質興味を示されなくなったのは私のほうだ。


それがなんだか悔しい。


彼は顔がいい。
だから女の子にもモテる。
私と付き合っていたときも沢山の女の子の相手をしていたそうな。
私も何人か見かけたことがあった。


「勘ちゃんひどいよ、隠れてそういうことしていたなんて」

「そんなに女の子と遊びたいなら別れた方がいいんじゃない、私なんかとは」



勘ちゃんに言葉を投げつけ返球もなしに私はその場から走り、逃げた。
そのときの彼の顔はかなしそうに微笑んでいた、ような気がする。


普段走ることを知らない私はすぐに息が切れ歩みを止めた。
こんな終わり方をしたことがたぶん哀しかったんだろう、私は気付けば泣いていた。



あれからあまり勘ちゃんの姿を見ない。
なぜだろう。
そのかわりに竹谷くんをよく見かけるようになった。
竹谷くんとは委員会が同じで比較的男子のなかではよくしゃべる。
勘ちゃんが元気かきいてみようかな。
と、思いながら校舎内を歩いていると廊下の向こうから竹谷くんが歩いてくるのが見えた。


「竹谷くん!」


私が呼ぶと彼は笑って手を振ってきた。
ん?、いつもだったら駆け寄ってきてくれるのに。おかしいな。


「竹谷くん今日なんかいつもと違う気がするけど体調悪いの?」

「いや、全然」


やっぱりおかしい。
竹谷くんじゃないみたい。
体調余程悪いんだろうか。

「こんなの竹谷くんじゃない」

小さくただ自己満足で呟いただけだった。
しかし、彼はため息をついて仮面をはずしたのである。


「さすがは委員会一緒なだけあるね」

「は…ちやくん?」




「大正解!」

「と言ってあげたかったよ」




剥がされた仮面の下にあったのは、鉢屋くんではなく勘ちゃんの顔だった。


どういうことなの。
何がどうなってこうなったの。



「俺だってい組の学級委員長。これくらい簡単だよ」

「こうやって色んな人になってたくさんの人をおとした」

「案外人なんて脆いもんさ」

「…でも出来れば知られたくなかったな」



「お前だけには」


また哀しそうに微笑む。
どうしてまたそんな顔をするの。
知られたくなかったなら誤魔化し通せばいいじゃない。
い組の学級委員長様なんでしょ?


「勘ちゃんってば馬鹿だなあ、本当に馬鹿」




「私だって知りたくなかったよ」


知ってなお好き、だけど出来ることなら知りたくなかった貴方の本性。


竹谷くんにきいたら私と付き合ったら治るかと思ったけどさらに加速したと言う。



こうやって今も隣で笑う貴方にはまた秘め事があるのでしょうか。


end
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とっても勝手なあれですが、勘ちゃんは悪人くらいが丁度いいと思ってます
題名はhazyさんよりお借りしました。


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