時の歯車

□ジャングル
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ルアン「ねぇ・・・ここどこ・・・?」


古臭いトロッコに乗ってから、40分程がたった。走っても走っても、見えるのは木々と岩と草ばかりだ。


ラドール「・・・森の中だ」
アン「ね、ラドール。少しおかしいと思わない?これだけ走っても、何もでてこないわ」
ラドール「運がいいな」
アン「違うわよ。かえって不自然に思わない?」
ラドール「出たら、出ただろう」


ルアン「シャン達、どうしてるかな・・・」
アン「連絡がないから、無事な証拠よ」
ルアン「こっちから、連絡してみる?」
アン「・・・そうね・・・」


突然、トロッコが急停止した。

ルアン「なにっ?どうかした、ラド・・・」


ルアンが、今にも窒息しそうな金切り声をあげた。
一行の目の前に、見たこともないとんでもないモノが出現していた。

…巨大な蛇だ。・・・頭は、三つ。そこらの木よりも大きいくらいだ。
真っ赤な胴体に黒の斑点、青紫色のまるで死人のような舌を、口からちょろりとのぞかせている。


ルアン「さがってさがって!!さがってぇぇえ!!」
ラドール「黙ってろ」


ラドールは、ヌンチャクと刀を手にトロッコを降りた。


ラドール「ここにいろ。すぐ戻る」


歩き出すラドールを、ルアンが服を引っ張って止めた。


ルアン「やだやだ・・・置いてかないでよ…」
ラドール「じゃあ来たいのか?」


ラドールは蛇を見上げた。


ラドール「・・・ひと遊びにすぎないさ。戦うにも、俺なりの理由がある」
ルアン「・・・うん。ラナのため、だよね。
あたしも行くっ・・・」
ラドール「ここにいろ、すぐ戻る」


ラドールが繰り返すが、二人は首を振った。


アン「いいえ。私達も行くわ」


ラドールは数秒黙っていたが、再び歩き出した。二人は後に続いた。
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