main・・・ORIGINAL of DQ&FF

□道化師は笑う 第一章
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誰かが言っていた─────。



(真実は必ずしも知れば良いというものじゃねぇ。時には知らねぇ方が良いんだよ。)



誰だっけか。忘れた。

ピピピピピピピピピピピ・・・。目覚ましが鳴ってやがる。さぁ、新しい1日の始まりだ────────。
















「おはよー。」「はよーッス!」

今日も朝の挨拶が飛びわたる。あぁ・・・、今日も我が親友は遅刻かな?

私の名前はアルト=スジャータ。
そんな可愛くもないしブスでもない。運動神経も普通。勉強も普通。どこにでもいる至って普通の女の子!茶色混じりの黒髪のセミロングで、目が両方青い。

そして我が親友とは・・・。

「イヨッシャー!ぎ、り、ぎ、り、セーフ!」
アルト「おぉ!珍しい。」
「だってよ、あれだろ?今日はあの日だろ?」

そう、コイツコイツ。名前はライツ=ベルス。単純明快、天真爛漫。運動神経抜群だけど勉強は駄目。性格はこんなんだから結構人気もある。本人は気づいてないけど。
ライツ「なーにごちゃごちゃ言ってんだよ。今日は転校生たくさん来る日だろ?楽しみにして来たに決まってんだろ!」

その通り。今日はうちのシィーラ勇士学園に集団転校してくる日。

その学園は死火山の側にあったらしい。だけど何百年と活動してなかった死火山が2ヶ月くらい前、いきなり噴火したんだ。そしてその学園はあっという間に全焼してしまったらしい。

幸い休みの日で、その学園の周りも建物はなかったらしいから良かったんだけど。それで生徒たちはどうすることになったかと言うと、元々交流関係も深かった、うちの学園が引き取ることになったんだ。向こうの生徒たちは全生徒でなんと約20人。だから校舎は再建なんてしなくても良いだろうってことになった。

うちの学園はクラスが75クラスもあるのにうちの組にも転校生が一人来るらしい。イケメンだと良いな〜。





アルト「まぁそりゃ私も楽しみにしてるけど。ライツ、あんたのテンションは高過ぎ。逆に引かれるわよ。」
ライツ「う・・・。分かったよ。」



「おらー!てめーら席つきやがれ!」



おぉ、鬼のキランダ教師。皆席に急ぐ。ライツは私の右前の席。



キランダ「あー、皆おはよう!今日は前に言ったように、集団転校してきた奴らの一人がこのクラスの新しい仲間になる。皆仲
良くしてやってくれ。」

イケメンかな?可愛い子来い!こんな声が至る所から聞こえてくる。皆考えてることは一緒ね。ライツ、あんたはソワソワしすぎ。


キランダ「さぁ、入ってこい。」








ガラガラガラ───────。



引き戸が開く音に。その踏み入れてきた足に。そして、その顔に。皆が息を呑んだ。


イケメン?可愛い子?分からない。なぜならその顔は仮面で覆われていたからだ。



悪魔のような模様の仮面。白と黒ベースの赤と紫の模様が入った仮面。
背格好もそれなりにある。私は身長が168くらいあり、女子の方でも大きい方なんだけど、そいつは175強。まさに悪魔だ。


キランダ「訳あって声はしゃべれんし、顔も見えん。いつか聞こえたり見えたりできるようになるとは聞いているがな・・・。まぁ皆仲良くしてやってくれ。」

仲良くですって?コミュニケーションとれない相手とどうやって仲良くなんのよ・・・、って思ったけど、居たわ一人それ出来る奴・・・。

ライツ「俺ライツ=ベルス!よろしくな!お前の名前は?」
キランダ「お、おい待てベルス!後にしろ、後に!」

『…………………。』

出るの速・・・・・・。いつ前に出たのよ。すると悪魔のような転校生は無言でエアード・ペンを持って空中に文字を書き始めた。ていうか普通にエアード・ペン使えてるし・・・。優秀そうね。

そうこうしてる内に転校生は名前を書き終えていた。その羅列文字はこう読めた。

ライツ「シュダ=キラルド・・・。お前の名前か?」

そうライツが言うと転校生はコクリと頷く。コミュニケーションとる気はあるっぽいわね。

ライツ「そうか!宜しくな!つかお前よく見たらすげーイケメンじゃねーか!」

イケメン?ライツにとってはあの仮面イケメンなの?いや、ないない。じゃ、何で・・・?

ライツ「え、そんなことないって?何言ってんだよ、鏡見ろって!」
キランダ「ラ、ライツお前もう出来るのか?」

出来る?なんのこと?

ライツ「ん、まぁなんつか出来る!」

アルト「先生、どういうことですか?」

キランダ「こいつはある理由でな、人を余り信じないのだ。いや、信じないというよりも信頼出来る人間が少ない。そしてそれを分かりやすくしたのがその仮面らしい。」

あの仮面意味あったんだ。
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