その他

□かわいい人
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「承太郎、見てくれよ!!こんなに沢山の食べ物があるぞっ!!」
「花京院、てめぇちぃーとはしゃぎ過ぎじゃあねえか?」
「そりゃあ、お祭りに来るのが久し振りだからに決まってるじゃないかっ!!そ、それに……」
「それに……何だ?」
「い、いや!!何でもないよっ!!」 そう言って僕は慣れない下駄を履いたまま走ったので転びそうになった。
どうして僕は素直に伝えることが出来ないだろう……
ーDIOとの戦いから半年近くが経とうとしていた。
僕たちはいつもと変わらない毎日を過ごしている。
でも、1つだけ変わったことと言えば……
「花京院」
「ん?……って何してるんだいっ!!」
「別に何もしてねぇじゃあねぇか。」
「何もって……今、手を繋ごうとしてたじゃないかっ!!」
「別に良いじゃあねぇか。」
「良くないよっ!!人に見られたらどうするんだいっ!!」
「俺は気にしないがな。」
「君が気にしなくても、僕は気にするんだよ……」
それは、僕と承太郎の関係が友達から恋人に変わったことだ。 「ならしょうがねぇな……」
そう言って承太郎は手を離してくれたけど、少し悲しそうな顔をしているような気がした…… 「君はズルいよ……」
「何か言ったか?」
「……人が居ない所なら良いよ……」
「……その言葉覚えとけよ。」
フッと笑った承太郎の顔は明らかに何かを企んでいるような顔をしていた……
「やっぱり君はズルいよ……」
僕は承太郎に聞こえないようにそっと呟いた。
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