他校

□Memory
1ページ/4ページ



あと2日。

学校の一大イベント、
文化祭が始まる。



私たちの学年は露店をするのだが…

クラスの進み具合は
かなり遅れていた。



そのため、
半分の女子は材料を買いにいき、

残りの女子は
小道具を作るのだが、
みんな昼御飯を食べに行った。



どうしても、
部活動生が多いため
仕方ない状況ではある。




つい、先週までの話、
私もソフト部だった。



日々鬼のような練習に耐え、

最後の最後まで
戦い抜いた熱戦の結果、

1点差で決勝トーナメント敗退だった。





そういう訳で、
手伝いできなかった分、
今こうして罪滅ぼし(?)がてら
頑張ってる訳なんだけど。



クラスに一人だけ。


廊下では男子が
紙ボールを作って遊んでいる。






「はー。」



ここは何色使おうかな?



ちょっぴり苦戦中だった。




途中で
副担の先生が入ってきて、
出席簿を確認していた。





「あっ、ども」


同じクラスの高橋君が入ってきたのは
そのすぐ後のこと。




「おー、バスケ部の試合、
どーやった?」



先生が話している。



「いや、まぁ負けちゃいましたね。」




高橋君のいたバスケ部は
私たちの最後の試合前日、

つまりほぼ同時に
引退が決定してしまったのだ。




「それは、それは
お疲れ様でした。

中学から始めたの?」


「まぁ、そうすっね。
小学生のときはサッカーで
キーパーをしてました。」



へぇー、そうなんだ。


作業をしつつ、
耳だけはあちらに傾け、
話を聞いていた。




「まぁ、文化祭は楽しんで!」


「はい!」




そこで話は終わり、
先生は教室を出ていった。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ