他校

□おまもり
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放課後に私は
部室に置いていた教科書を
手にして体育館横を見ていた。


男子バスケ部が
モップ掛けをしていた。

「まりんー?
なんしとんねん?」

「あっ、ニノじゃん。
準備サボってるわけ?」


少しにやけながら
顔をそらした。
図星らしい。


「いやー、
体力温存ってやつやねん!
今のうちにタップリ
休んでおくのも仕事のうちやー」


「あー、そーですか。
んじゃ。バイバイ。
私は帰るから。」


早足で帰ろうとすると
バッグの紐を引っ張られた。



Σウワッ!


と同時にバッグのなかの
教科書が全部出てきてしまった。

「待ちーな!
ちょっと来てん!」


急に引っ張られた拍子に
出てきた教科書を拾った。
「もー、落ちちゃったじゃない!」

「あー、堪忍。堪忍。」


そういって、
ポンポン拾って
バッグの中に詰めこんだ。
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