他校
□Memory
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「坂本さん、これ食べる?」
そうやって、
差し出してきたのは
売店で売られている
ミニクロワッサンの残りだった。
「余ってしまったんだよね。」
「ほんとに?ありがとう!」
遠慮なく頂く私。
実は、
食欲旺盛の育ち盛り。
しかも、
今人気の限定商品で、
昼御飯もおにぎりひとつだったため
この一品は嬉しかった。
「バスケ部、お疲れ様。」
「あぁ、うん、ありがとう。」
3個入りのうち
1個を口に頬張った。
「ソフト部はどうだった?
ホームラン打てた?☆」
高橋君からは
前日にブログに
コメントしてもらったのだ。
『がんばれよ!』
って。
それに対して、
『ありがとう!
ホームラン打ってくる!』
と返したのだが…
「チャンスがなくて…
負けちゃった。」
終わってしまったこてでも
まだ悔しさの名残は消えない。
「そっか…。
お疲れ様です」
高橋君から
いろいろと応援してもらったこと、
本当に嬉しかった。
クラスの男子では
一番感謝している。
「まぁ、
明日の文化祭は楽しもう!」
その前向きなところが、
辛いときに、
いつも励みになっていた。
「…おいしい♪」