他校

□ふわり-続-
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「きゃ!」

ホラー映画を見てる俺たち。






DVDを借りるときも
最初は一人で見る予定だったから
ホラーとかアクション系ばっかりだった。




ホラーを選んでいる時点で
まりんはムリだの悪趣味だの
散々言われた。














結局、見る羽目になったのは
俺が少しせがんで
じゃんけんしたら勝ったから。














「もー怖いよー…」








シカッと腕を掴むまりん。


かわいすぎる…












でも、確かに
これは刺激が強かったか?


リアリティーがありすぎる。




















ちょっとイタズラしてみるか…
















携帯を取りだし、
バレないように画面をいじる。


















“ピリリリリリ!”




「きゃー!」








まりんのケータイが鳴る。













「もー誰よ…



…って、克己じゃない!」





「はは!

びっくりした?」
















半泣き状態で口を尖らせるまりん。








やべー、その顔。






思わずいじめたくなる
衝動に駆られる。

















「克己のバーカ!」


そう言って
肩をはたいてくる。



「怒んなって、まりん。
悪かったー(笑)」




「全然悪いとか
思ってないくせに!」



「はは!大正解!」






はたくまりんの手を阻止すると
諦めたかのように力を弱める。




「もー、怖かったんだから!」




「だって、まりんの反応が
かわいすぎなんだって!」










上目遣いになって見つめてくる瞳。

部屋は暗いが
テレビの明かりで
軽く赤面した様子が分かるまりんは、

照れ隠しするように
ポンと手を置いて
頭を俺の胸に預けた。















「あ、終わったな」



まりんとバトルしている間に、
テレビ画面を見れば
いつの間にかエンディングロール。









「はぁーよかった、よかった」



「最後のシーン見ないほど、
後味悪いことはないぜ?」





ソファーに座り直すまりんに
離れていく温度に名残惜しむ俺。






「いいのー。

私としては
ホラー映画の怖いシーンは
全部カットしてほしい
くらいなんだから…」






「…それ
最早、ホラー映画じゃねぇよ(笑)」






「それもそうだね!」




結局、納得したまりんは
他のDVDを探す。











テーブルに広がる
借りてきたDVDたち。



それをあさるまりんの細い手。





「ねぇー、
恋愛ものってないかんじ?」




「恋愛ものねー」





ソファーから立ち上がり、


最近、
抽選であたった映画のDVDを思い出す。






確かデッキの下に開けずに
置いてあったはず…












「あー、あったぜ?」



「見せてー♪」



包装されたビニールを剥ぎながら
まりんにタイトルを見せる。







「あーこれ!
見たかったんだよね☆

もう発売されてたんだ!」





目をキラキラさせながら
俺に見たいと視線を送るまりん。





「見るか?」

「もちろん!」






この即答のしようも
子供っぽいけどまじでかわいい…




俺てきには
映画よりもまりんが
いいんだけどな…







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