他校

□ふわり-続-
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俺はあぐらをかいて
まりんは俺の腕におさまって寝そべる
いつものポジション。





女子ってやっぱ
こういうの見て
胸キュンってやつをするんだろうな…





俺には全く
そんな実感わかねぇけど。










「んー、まりん?」


「シーッ!
今いいところだから」









確かこの映画に出てるカップルの男役。

まりんが好きな俳優だっけ?









「やばいー!泣きそう」


「もう泣いてんじゃん」



笑いながらからかってみる。






「…今ので引っ込んだー。」






やべ、空気読めてなかった俺?





失敗したー…





「あー、今のはマジごめん」



「うーん…

あっ!キャー!
やばい!ここでキスはいい!
かっこよすぎるー!」








映画のなかの男を見て興奮しだすまりん。






かっこいいのは認める…




でも、根拠はないけど
まりんには俺が合ってる。







しょせん、映画だぜ?
ぶっちゃけこんな展開に出くわす程、
世間うまく行ってねえって。













さっきまで

興奮していたのとは裏腹に、
静かに映画を見ているまりん。







しかも…





ヤっちゃってるシーン。












うーわ、
この男、脱がしてるよ…



上半身裸になってるけど
男のわりにきゃしゃい体してんな。




これだったら
俺でも勝てる自信がある。














黙ってみてるけど…


まりんは今何を考えてんだろう…














映画の中のカップルは口づける。


演技とは言えど、
かなり熱いかんじに…






俺たちと言えば…?





なんか…気まずくなってない?















ノリでしちゃうのって
まりんてきにイヤかもしんないし、


映画に夢中だから
そういう行為をしてみて
拒まれたら余計に気まずいよな…






















俺ってこんなにビビりだったっけ?


















この状況…


男の俺にはわかんねぇ…





さっきもいいシーンで
水さしてしまったし、
同じことになって
険悪なムードになるのはごめんだ。







またしても難関。






どうする、俺!?



















そんなこんなで
内心、百面相やっていると、
まりんが体制を変え、
俺に乗っかる風になる。













「克己…」








そして、
まりんは俺に軽く口付けた。












まさか、
まりんからこんな形で
来るとは予想外だったため、

先ほどまで考えていたことが
全て吹っ飛んでしまった。




同時に…理性も。










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