悪魔も喘ぐ夜
□W
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「起きていたいなら起きてていいよ。
俺は寝るから。おやすみ」
「やだやだ! ぼくも寝るっ」
別に脅したつもりはないのに、麗はそれ
以上何も言わずに布団に潜り込んできた。
さすがに二人でシングルベットは狭いの
で、床に布団を並べて敷いている。
「じゃあ電気消すぞ?」
「うんっ」
弾む返事をする麗はまだまだ眠くなさそ
うだったが、とりあえず寝てみよう。
寝てみて寝られたらよし。
寝られなかったら…兄貴は狸寝入りでや
り過ごすしかない。
「お兄ちゃん、そっち行ってもいい?」
部屋の明りが消えて闇に包まれ、俺が布
団体を横たえるのすら待てないように声が
かかる。
「いいけど…」
ゴソゴソッ、ぎゅうっ
呆れた、と続ける暇もなかった。
最初からそのつもりだったらしい。
片腕に抱き着いてきた麗はその肩に頬擦
りしている。