秘密

□らぶ・ぽいずん
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チャイムが鳴った。
みんな一斉に鞄を担いで教室を出ていく。


「レーンーッ!帰ろ?」


ニコニコと手を振りながら近寄ってくるのは隣のクラスのリンだ。


「今日はムリ。掃除当番だから」

「え、珍しい。レンが掃除をサボらないなんて」


露骨に驚いた顔をされてちょっとムカついたが「そぉ?」とか言って嘯いた。

俺だって真面目に掃除するもんね。


「リンちゃーん!ここにいたんだぁ、一緒に帰ろう?」


緑色の髪をぴょこぴょこ弾ませながらスキップできたミクは俺とリンを交互に見て「あ。」という顔をする。


「お邪魔だったかな?ごめんねっ」

「ううん。一緒に帰ろう、ミク。レンは今日掃除当番だから一緒に帰れないって」

「そっかぁ、おつかれさま。頑張ってね、ばいばい」

「寄り道しないで帰ってくるんだよ?」

「しないよ、じゃあね」


2人が教室を出たのを確認して一息つくと、背後から聞き慣れた声が聞こえてきた。


「ごめんね、めーちゃん。俺今日掃除当番だから…」

「あら、そうなの?それならそうともっと早く言ってくれればわざわざ迎えに来なかったのに」

「いや…迎えにって言ったって席隣の隣じゃない」

「まあいいわ、頑張ってね。行こうルカ」

「おつかれ、カイト」

「うん、またね」


にっこりと笑って手を振るカイト。

そんな動作のひとつひとつが乙女チックで可愛らしい。
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