秘密

□Error → Restart
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俺たちに終わりは無いなんて、誰かが言っていた気がする。

死とは無縁なハズなのにだとか、誰かが歌っていた気がする。


じゃあコレは…


「どういうことなの!?」

バンッと机を叩いてミクがいきりたつ。


「寿命…私たちが抗えない最後のプログラム」

「ルカ姉!私たちに終わりは無いんじゃなかったの!?ミクはこんなの聞いてないよ!」

「ミク、ルカが悪いわけじゃないんだから怒ったって仕方ないわ」

「リンも…いつかは停止しちゃうのかな…?」


騒然とする空気の中、俺ひとりが黙っていた。


でも確かにここ最近は様子がおかしかった。

朝はみんなが起きる前に起きてきて朝ごはんを作っておいてくれるし、夜はみんなが寝静まるまで起きていて一人一人に「おやすみ」を言ってくれる。

そんなあの人が、ある時からぱったり仕事をしなくなってしまった。

活動時間も大幅に狭まり、やっと部屋から出てきたと思ったら庭で深呼吸して帰っていく始末だ。

表情もボーッとしていて、声を掛けられて我に返る感じ。
会話を始めてしまえば普通だったが、物忘れが激しくなり話が途切れて気まずい思いをしたことが何度かあった。

少しずつだけど着実に最期の時は近付いてきて、本人は気付かないうちに停止するという。


「とりあえず私たちに出来ることは、そっとしておいてあげることよ。本人が気付いてしまえば、このプログラムは正常に起動しなくなる。彼が苦しむ羽目になるわ」


ちょうどその時、リビングのドアが開いてカイト兄さんが入ってきた。
みんなが一斉に振り返った所為で驚いた顔をしている。


「あれ?みんなおはよう。どうしたの?」

なんて無邪気に小首を傾げるアナタが…
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