秘密
□俺のカイト兄さんだッ!
1ページ/8ページ
いつものように起こされて、身支度を整えて下りていくと、そこはまるでサファリパークだった。
「何がサファリパークよっ!レンも早くしないと朝ごはん食べ損ねちゃうよ!」
「え、」
「おはよう、レンくん。ネギロールは全部ミクのだから取らないでねっ」
「あ、」
「レン遅いわよ〜?お寿司は全部私が貰うから炭水化物は他で取ってね」
「あぁ…」
「カイトー、なんで、お酒出してくれないのよー」
「だって朝だよ?めーちゃん昨日の夜遅くまで一人で飲んでたじゃない」
これは一体…
何事だ。
「あ、レン。おはよう」
カイト兄が俺の存在に気が付いて笑顔を向けた。
呆然と立ち尽くす俺にエプロンで手を拭きながら近付いてくる。
「おはよう」
「おはよう」
「今日はね、冷蔵庫がパンクしそうになってたからバイキング形式にしたんだ。レンの大好きなバナナヨーグルトもあるから、たくさん食べてね」
「わかった…」
取り敢えず人気のなさそうな皿から少しずつ色々のせていき、最後に大好きなバナナヨーグルトをよそって席につく。
他のみんなはもうとっくに食べ始めていて皿の模様が見えかけていたが、まだまだおかわりする気まんまんだろう。
そのうち二人は極端に偏った食材しか食べていない。
カイト兄は困ったように眉を下げたけど、何も言わなかった。