秘密

□かさなる影
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俺は自分の目を疑った。

部屋に入ってきたマスターの影に隠れるようにして立つ男の子。
俺と同い年か、あるいは少し年下に見える。

だけどどこか見覚えのある顔。


「マスター…誰?それ」


視線は男の子から逸らさないまま問いかけたら、とんでもない答えが帰ってきた。


「カイトだよ」

「え、」


え、だって誰だよ。
カイト兄さん?え?

嘘だろ、俺よりちっさいじゃん。

でも確かに言われてみれば、青い髪、青い眼、青いマフラー、白いコート。


「カイト兄さん…?」


マスターの後ろを覗き込むようにして声をかけると、彼は戸惑ったようにおどおどして反対側から前に出てきた。

振り返って向き合う。
やっぱり俺の方が少し背が高い。

長い睫毛の下からちらりと覗く青が兄さんと一緒。


「本当にカイト兄さんなの?」


確かめるようにもう一度聞くと、彼はゆっくり頷いた。

俺は頭がこんがらがってマスターを見上げる。
説明を求めるとマスターも困ったように小さく息をついて教えてくれた。
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