学園!MAD LOVE

□三限目
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ハルが教室に戻ると、


「あ、あれ…誰もいない?」


静まり返った教室を見渡すと、



「おー、アホ子。次移動教室だぞ」


と、ミヅキが机に寄りかかっていた。


「あっ、いけない!そうだった…」
「しっかりしろよな」
「う、うん。ごめんね」


ミヅキに言われて思い出したハルは慌てて教科書と筆箱を持ち、ミヅキと教室を移動する。



廊下を歩いている途中、ふとハルは ミヅキに、


「あれ…ミヅキくん、もしかして私の事、待っててくれたの…?」
「ブフォ!」


その問いにミヅキは噴き出した。


「は…はあっ!? お前を待ってた? 己惚れんな!…そんなんじゃねえし」
「えと…じゃあ、何で教室に残ってたの…?」
「…。うっせーな。どうでもいいだろ」
「う、うん。ごめん」


しばらく沈黙が続くと、今度はミヅキはハルに問う。




「つか、さっき」
「え?」



「…世良先輩と何話してたんだよ」
「な、何って…ただ荷物一緒に運んだだけだよ」


咄嗟に世良に言われた事を思い出し、ハルは顔を俯かせた。
その様子を見たミヅキは、


「ふーん。クリスマスとか何とか聞こえたけど」
「え…と。それはっ…」


言葉に詰まるハルを見て、ミヅキは口を開いた。
















「その日さ、お前俺と会えよ」
「え…!?」



驚いたハルはミヅキを見上げる。



「あいつのとこなんか いかねえよな? あ?」
「え、あのっ…」
「18時に俺んちで待ってっから 来いよな」
「あ、み、ミヅキくん!?」


立ち止まるハルをその場に残し、ミヅキは小さく呟いた。






「手え出すんじゃねえよ、アホ子は俺んだ」






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