学園!MAD LOVE
□四限目
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「ふー、なんか 今日はどっと疲れたかも」
放課後、ハルはため息をつき、職員室へと足を運ばせていた。
クリスマス、世良とミヅキに一度に誘われた事で、ハルの頭はいっぱいになっていたのだ。
「(ホント、どうしよ…)」
そんな事を思いながら、ハルは職員室のドアを開ける。
「失礼します、丹波先生いらっしゃいますか」
その声に、丹波は右手を挙げて、陽気な声で返事をした。
「おお、ハルちゃん こっちや」
手招きをされ、ハルは丹波の元へと駆け寄った。
「丹波先生、これ、頼まれていたプリントです。クラス全員の分、まとめてきました」
「おー、おおきに。助かったわ」
渡されたプリントを、丹波は笑顔で受け取った。
すると、ハルの浮かない顔を悟ったのか、
「なんやハルちゃん、元気あらへんな」
「え…あのっ…それは」
丹波はハルの頭をポンポン、と撫でてみせた。
「悩み事ならセンセが相談乗るで? 言ってみ?」
「た、丹波先生…」
□□□
「ほう、なるほどな」
ハルはクリスマスの日、二人に誘われた事を丹波に話した。
「なんや、モテモテでええやん。羨ましいくらいやわ」
「も、もう…真面目に聞いてくださいよ」
「すまん すまん、ハルちゃんが可愛いからついな」
「先生ってば…」
丹波は俯くハルに口を開いた。
「なあ、ハルちゃん」
「はい…」
「困ってるとこ申し訳ないんやけど、もうちょっとだけ困らしてもええ?」
「えっ…?」
ハルが聞き返すと丹波は続けた。
「その日、ワシと会ってほしいんやけど」
「え、ええ!」
「あかん?」
「えと…そのっ、私はっ…」
慌てるハルを見て、丹波は頭を抱えた。
「あー、あかん。その顔は反則や」
「えっ…」
「その上目遣いは 反則やで。理性ぶっ飛びそう」
「あの、先生…私」
すると、丹波は、急に立ち上がった。
「あかんあかんあかん!すまん、便所行ってくるわ!」
「え、あの!」
丹波は振り返り、ハルに告げた。
「ほな、18時。ツクネ通りで待っとるで」
「あ、せ、先生ってば!…ど、どうしよ…」