short.

□似た者同士。
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「…もういい」


ゆみが出て行った。
言いすぎた?いや、帰ってくるでしょ。



…一時間後


なんでだよ。
いつもなら帰ってきてる。
いつもなら「ごめんね」って言ってくれる。


『俺がいけねぇんだ…』


明らかに俺が悪いってときにも、
謝るのはゆみで。
それが当たり前になってた。
優しさに甘えてたんだ。



俺は家を飛び出して、ゆみを探す。


家からはだいぶ離れた所にある公園。
そこにあるベンチで泣いているゆみを見つけた。


『…ごめん。』


驚いた顔で俺を見る。


『ごめんな、俺が悪かった。』


「私も…ごめんなさい…」


泣きながら謝るゆみをそっと抱きしめた。


『普段言えないけどさ…
俺、お前がいないとダメなんだよ。
なんか…わかんねぇけど、ゆみじゃねぇとダメみたい。』


「なんか…って…」


『ケンカもするし、ぶつかってばっかりだけど、
嫌いになったことなんて一度もないんだよ。』


出会ってからずっと、
俺にはゆみしか見えてない。


『これからもケンカするだろうけど、
他のヤツのとこになんか行かないで?
ゆみが大好きなの。』


「私も…ゆうしか好きじゃない。」




頑固な俺と、短気な君と。
でも、俺も君と同じくらいに短気だし、
君も俺と同じくらい頑固。

そんな似た者同士の二人を素直にさせたくれた今日のケンカ。


「ゆう、ケンカの原因なんだっけ??」


手を繋いで歩く帰り道、
ゆみが俺に聞いてきた。


『ごめん、覚えてない…』


「私も忘れたー!!笑」


また一つ、
似てる部分発見しました(笑)





‐end.
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