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□鈍感で天然な君。
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〈アイツは鈍感だから、言わねぇと伝わらないよ?〉
友達のカズにそう言われて、かれこれ2ヶ月が過ぎた。
外はだいぶ寒くて、いつ雪が降ってもおかしくないと思う。
そっか、もう半年くらい経つのか。
高校へ入学して、カズとは席が隣になったことがキッカケで仲良くなった。
カズ『コイツ、俺の幼馴染のゆう。』
『よろしくね。』
そう言いながら微笑んだ彼に、私は一瞬にして惚れてしまった。
それから、3人でいることが多くなって。
学校でも、登下校も。
カズが他校にいる彼女とデートするってときは、ゆうと二人で帰ることもあったし。
二人きりのときにもゆうは面白い話をいっぱいしてくれて、帰り道はあっという間。
笑顔も、
うるさいくらいのテンションも、
凄く天然なとこも、
優しいところも、
全てが私を夢中にさせる。
カズ『もう、まだなの??』
「まだって何が??」
朝からカズはそんなことを言う。
機嫌悪いのかな。
カズ『早くしないとクリスマス一人ですよ、ゆみちゃん。』
相変わらず痛いこと言いますね。
「私、けっこう態度に出してるんだけど。」
私なりにだけどね。
カズ『だからさ、アイツは鈍感なんだって。言葉にしなきゃ。』
そうだよね。
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