title.

□雨のあと
1ページ/3ページ




いつも通りの帰り道。
さっきまでの土砂降りだった雨もやんでくれて。
俺は家路を歩いていた。

すると、目の前の公園にびしょ濡れの女の人。
きっと、傘を持っていなくて雨にやられてしまったんだろう。


『大丈夫?』


無意識で彼女に声をかけてしまった。


「ゆう…??」


『ゆみ?なにしてんだよ!風邪ひくだろ!!』


驚いたことに、相手は幼馴染のゆみだった。
俺は急いでバッグの中にあったタオルを渡した。


「ありがと…。びっくりしたでしょ?私がびしょ濡れで。」


『そりゃそうだよ。なにしてたの?』


「彼氏と別れたの。一週間前に。私が振られたんだけど、なかなか立ち直れなくてさ。無性に雨に打たれたくなったの。私って変わってるでしょ??」


確かに変わってる。そんなの小さい頃から知ってる。
でも、気持ちはわかる気がする。


『全部雨に洗い流して欲しかったんでしょ?』


「よくわかるね。さすが幼馴染のゆうくん。」


何度か彼氏の話は聞いていたし、主にノロケだったから上手くいっているとばかり思っていた。
ゆみが振られるなんて。
だけどなぜだろう?
それを聞いて安心している自分がいる。
…いや、そんなの気のせいだ。
俺らは幼馴染。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ