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□雨のあと
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いつも通りの帰り道。
さっきまでの土砂降りだった雨もやんでくれて。
俺は家路を歩いていた。
すると、目の前の公園にびしょ濡れの女の人。
きっと、傘を持っていなくて雨にやられてしまったんだろう。
『大丈夫?』
無意識で彼女に声をかけてしまった。
「ゆう…??」
『ゆみ?なにしてんだよ!風邪ひくだろ!!』
驚いたことに、相手は幼馴染のゆみだった。
俺は急いでバッグの中にあったタオルを渡した。
「ありがと…。びっくりしたでしょ?私がびしょ濡れで。」
『そりゃそうだよ。なにしてたの?』
「彼氏と別れたの。一週間前に。私が振られたんだけど、なかなか立ち直れなくてさ。無性に雨に打たれたくなったの。私って変わってるでしょ??」
確かに変わってる。そんなの小さい頃から知ってる。
でも、気持ちはわかる気がする。
『全部雨に洗い流して欲しかったんでしょ?』
「よくわかるね。さすが幼馴染のゆうくん。」
何度か彼氏の話は聞いていたし、主にノロケだったから上手くいっているとばかり思っていた。
ゆみが振られるなんて。
だけどなぜだろう?
それを聞いて安心している自分がいる。
…いや、そんなの気のせいだ。
俺らは幼馴染。
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